Tarzan 2012/6/28

On 2012年6月27日, in life Style, by admin

Tarzan 2012/6/28

Tarzan (ターザン) 2012年 6/28号 [雑誌]

Tarzan 2012/6/28

Tarzanは月のうち半分位はバックに入っている雑誌です。ひとり飲みのアイテムになっています。ご紹介するのは《心拍トレーニング》の特集です。ランニングや自転車を習慣化させて3年、毎日欠かさず走るようになって約1年。20~30代と頃と比べると効果が出るまでに時間はかかりましたが、ずいぶんと変わったように感じます。ラニングも楽になってきたので強度を上げ始めたところでこの特集でした。楽になった理由を本誌は次のように解説しています

『…肺は心臓のように自立して動く臓器ではない。肺を包み込む助骨の間の助間筋、また肺の底をカバーする横隔膜といった筋肉が呼吸運動を支えている。これらの筋肉が有酸素運動によって鍛えられ、筋力が増すことで酸素を効率的に送ることが可能になるのだ。先月より今月、去年より今年のほうが走っても苦しく感じないのはそんなわけなのでした』

肺に絡む筋肉強化が要因だったらしい。ちょっと勉強になった。短い時間で効果的にやるにはやはり知識は欠かせない。さしずめ今の心拍数60→75%がターゲットゾーンになりそうだ。5分以内に75%まで持って行き5~8㌔走る。これでハーフが走れればフルマラソンも夢ではないらしい。筋トレも含め明日から早速実行してみようと思う。

 

東大合格生のノートはどうして美しいのか?   太田あや


東大合格生のノートはどうして美しいのか

7、8月で組織学習論と知識創造論の研究ノートを作る。基礎的なことの確認が目的。丁寧に質を高くやりたいと思っていたところに、昨日(6/24)付け日経の広告に著者の記事が載っていいたことで本書を思い出し再読を試みた。記事によると「東大合格生の異なる点は、ノートをこの先どのように生かそうか意識しながら書いているところ。未来の自分へのメッセージとして書いているわけです。…ケイ線の弾き方などの理由を聞くと『なんとなく』という回答はゼロでした」とある。

“板書 → 解説 → 疑問・考え”とパートを切ってノートしていることに特徴がある。解説で理解していることの確認や肉付けができ“疑問・考え”を書くことで質問や復習のとっかかりになり、ストーリーに深みがでるのだという。こうしたノートを創ることが “できない部分を見直せる質を考えた勉強”になるだろう。さしずめこのあたりが未来へのメッセージなのだろうか。

もともとこのブログは読書忘備録として始めた。しかしいつのまにか自分の理解を確認する場となっていった。理解が浅いと書くことがとても難しいのである。あまり難しいと図解にして確認したうえで書くこともある。量を読むよりも一冊の質を上げるほうが良いはずだ。そうするといつのまにか量を落として怠惰になりそうな気がする。時間の確保に切り替えたほうがよさそうだ。

本書によれば“質を高める”にはやはり手書きに限るらしい。
『…パソコンに打ち込んだ場合には、どんなに意識的になっても脳は活性化しませんでした。理解するためというよりも、メモ書きとして使用する方が向いているのかもしれません。ノートをとりながら理解するには、板書に加えて説明、疑問を書くなど、さまざまなところに意識を働かせることが大切なのですね』

“きれいなメモ”としてのPCは効果的だ。PCのメモを見ながら自己の文脈を通じてPCで表現するこの流れであればよさそうな気がする。またそれをプリントアウトし図解を加えるのも悪くなさそうだ。

質を高めた学びを追求していきたと思う。結局それが仕事に跳ね返るのだと捉えている。

 

50代からの選択   大前研一

On 2012年6月24日, in life Style, by admin

50代からの選択   大前研一

50代からの選択

2004年初版刊行なので10年程前に書かれたことになる。インテリジェンスでエネルギッシュなイメージ。しかし都知事選(1995)の落選以降はクオリティ・オブ・ライフを軸にしているらしい。それでも大学を創り十分に活動的であり、快活に生きているのが伝わってくる。平均寿命82.93歳。いまの斜度で延びていくと10年後には85歳位になりそうな勢いだ。定年後の20年をどう過ごすかは人生の大切な問題である。

著者は50歳の落選を機に人生をリセットした。確かにリセットが可能なラストチャンスなのかもしれない。「50歳前後というのは人生の最後までを見通してカウントダウンを始めるには、最適の年齢だと思う。あと何回の夕食、あと何回の旅行、と数え始めたらどれも適当には流せなくなる。そうやって生きるあと25年、30年はとても密度の濃いものになるだろう」と述べている。大学を出て就職をする。そこで概ねの人生が見えた時代は過ぎ去った。サラリーマンが一線の仕事を習得するまでに約10年だと著者らは言う。また仕事の仕組みの変化し50代になれば同期すら難しそうだ。そうであれば30代~40代前半がピークとなる。

そうはいっても50歳なら、精神やフィジカルを保てるラストチャンスでもありそうだ。いま目指すものがないのなら体力増強だけでもしておきたいところだ。もうひとつは価値感だ。現在の延長線で描ければ良いがそうでなければ転換が必要なのだと思う。「…だが、今は違う。変革期に新しいことを始めようとするときにものを言うのは古い知識や経験にしばられず、それまでのやり方に疑問を投げかけ、思い切って新しいものに懸ける行動力だ。こんな時代はやっぱり若い者勝ち、古い秩序の染色体が入り込んだ人たちの過去の経験では通用しないのだ。デジタル社会そのものは、決して若い人でないと理解できないものでもついていけないものでもない。だが、デジタル社会が引き起きしたドラスティックな社会変革に即応できるビジネスリーダーとなると、やはり若い才能の出番ということになるだろう」著者のこうした考え方を踏まえると、30代~40代の間にそれ以降も活躍できる能力を身に付けて必要がある。しかしそれは知識ではない。

知識は陳腐化する。つけるべきは知恵を産み出す源泉なのではないか。年齢層が違うからみきわめられる洞察やクリエイティビティ。そんな気がしてならない。 “染み”を取り除き鍛えることが最初の一歩のように感じる。

 

社会起業論 聴講所感

On 2012年6月23日, in 経営者, by admin

社会起業論 

これまでも何度か講義について書こうと思いましたが、感慨深すぎてまとめることができませんでした。そこで人間力的なテーマですが、個人的な所感を交えながら少し書いていきたいと思います。

苦労したか
苦労知らずの人間にはわからない
自分の心を内観
自分の心を見つめる

これは、今回の講義で最初に響いたセンテンスです。
いままで“人に裏切られた、苦労させられた”そう思いふけったことはありません。すべては自らが招いたことだと思っています。しかし自分のいたらなさはいまだ治っているようにも感じられないでのす。つまるところ内省が足りないのだと思います。苦労ということばを使っていますが“学ぶ機会”という捉え方でも良いのだと思います。知識の学びも大切ですが“人としての成長”も大切なことは言うまでもありません。

“素直に自己を見つめる”キャリアの棚卸だけでなく、心の棚卸も必要なのだと感じます。それがアンカーとなって前に進めないケースがあるように思います。また“過ぎたことだから….”言って“正面から受止めない”これもまた然りなのではないでしょうか。
先生のお話から感じるのは“人生はつながっている”ということです。学びだけではありませんが、人生の宿題は必ず終えなればならない。宿題を終えてはじめて進化・成長ができるのだと思います。

生涯をかけて学ぶ”実社会でてからの学び 
自分の進化を描いているか

これが2つめのセンテンスです

自分の進化を描けば、学ぶ意外に方法はないのだと思います。求められる“知識”があってはじめて“知恵”が湧いてくる。しかし知識の陳腐化がフルスピードで迫ってきます。知恵が湧く学び、これが実社会での学びなのではないでしょうか。

 

「朝4時起き」ですべてがうまく回り出す  池田千恵

「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!

最近は◯◯コーディネーターなど狭い領域でのプロの方がいる。この方もそのひとり。早起きコンサルのようなものだと思う。6時起床から5時起床に向かい悩ましい日々を過ごしている。本誌を通じて感じたのはどこに『軸』を持ってくるかだ。夜型で食事もそこそこに仕事をされる方もいる。私の場合夜は明らかに怠惰だ。怠惰なお酒の時間を短縮することが5時起きの決めてとなりそうだ。

出張や雑務でブログの更新もできないことが多かった。しかし6時起床のおかげで自分の時間を保つことができている。ラニングや新聞、読書などは欠かしていない。朝数時間でも自分の時間が保てることは精神的なバランスにも良い。休むこと無くこうした生活になってもうすぐ1年になる。雨のラニングも意外と気分が良いことも発見した。前日から天気を心配しているくらいなら、とにかく走ると決めてしまえばスケジュールが崩れることもない。また休みもない状態が今年に入って続いているが、いつでも山行できる体力は保持していると思う。本書と比べれば2軍のようなものだが、効果は間違いない。

怠惰な暮らしとお別れする宿題をどうかたづけるか。
達成を近々にご報告したいと思います。

 

雑感

On 2012年6月14日, in 雑感, by admin

雑感

来週、以前に執筆した論文の概要を提出するため、最近は机にしがみついております。

当時は持てる力を振り絞って書いたのだが、読み返すとどうにもやるせない。自分が成長したのなら良いのだが、ただの力不足だったのだと思う。と同時にまとめながら思うのはやはり企業は組織であり組織構築が難しいということだ。

中小企業白書や厚生労働省などのデータでは小規模企業では35%が2年以内に離職し、5年以上の勤務者は30%に過ぎない。相互の問題として解決をしないかぎり競争力を保つことはできない。

経営側は何を解決すべきか。まず自己の普遍的倫理から生まれる企業理念を明らかにすることだ。
“素晴らしいな”と思う経営者の方に共通しているのは、収益は求めているがその前提に社会貢献の心がある。社会に支えられているという意識の方が多い。そこには虚勢などはなく豊かな人間力があるばかりだ。
人間力は一朝一夕で養えるものではない。日々の積み重ねが開花する保証などどこにもない。しかし“養っているその時が大切なのだ”と言われる方は多い。日々養い続けることで企業理念の元である個人理念が磨かれるのだと思う。

人間力を磨く努力が企業成長につながることを示す教科書は数多い。遠回りのように思うが三省し自己を成長させる。それが企業力を高めることにつながる。これもまた修行という言葉に置き換えられるのだろうか。しかしやるべきことが見えれば1歩前進だと思う。

 

原発『危険神話』の崩壊   池田信夫

原発「危険神話」の崩壊 (PHP新書)

本書はアマゾンの批評を含めて相当批判されている。世の中の空気に意見することになるからか、同調者の意見は数少ない。原発推進の本書への批判の集りは理解できる。だが自分は放射能汚染が人体に与える影響についてどれほどの知識持っているのか。残念ながら正確な知識は持ちあわせていない。医学的に放射能汚染の知識を持つ。原発問題を考察するには必要不可欠な知識だと思う。

池田氏は“体への影響は少ない”として論をすすめる。この前提条件が崩れれば本書は成り立たない。この問題は政治や文化人が語ることでなく科学者や医師が一般にわかるように説明をする必要があると思う。御用学者や東電学者を除き、多数の国に参加をお願いし、統一見解をまとめて頂きたいと思う。

再稼働条件を首相は語られた。しかし首相を含め政治家の言葉に信用力はあるだろうか。ポピュリズムを語る政党が勝利する。首都大学東京教授・宮台真司氏の言う『リアリティの欠如』を我々は見ぬくことが求められる。 “15%不足”は果たしてどのような事実の積上なのかを見ぬかなければならない。こう書きながら政府を信じられない現実を改めて突きつけられる。これではまるで、共産主義や社会主義国の政治発表と同じではないか。

再稼働決定者は政治が判断をした。311前と同様の法律で検証結果をも出す前に稼働に踏み切った。不信と不安に苛まれてならない。関西電力のいう15%の削減は困難なのだろうか。電力の75%は産業界が使用する。家庭での使用は25%だ。家庭の日中の待機電力を削減する、遊興酩酊な業界にはお休みを頂く、そのうえで産業界に節電のお願いをする。我々が行動し、電略会社や政府機能を厳しくチェックする。そうすることで変えることができないだろうか。

東電の影響力を知る資料がフェイスブックでシェアされていた。東電は年800億の広告費を使う。またメディアの株主(TBS、テレビ朝日)でもある。東大への寄付金は年5億円にものぼり学術界への影響力もある。ゼネコン、政治家、警察官僚、経産省、への影響力も大きい。電源三法交付金により原発立地自治体への影響力もある。

これだけの影響力を持った企業が、いまは福島原発事故の処理費用の債務約10兆円以上を抱え債務超過の状態にある。数回に渡り料金を上げ税金の再投入が予測される。とても1兆程度の税金投入でまかなえるものではない。しかし予測や見込はどこからも聞こえてこない。

 

病気にならない食習慣  July 2012

日経おとなの OFF (オフ) 2012年 07月号 [雑誌]

病気にはなりたくないし、体力はUPさせたい。
最近思うのだが20歳をすぎれば、体力は下りのエスカレーターに乗っているようなもの。酒を飲む量は増え、スポーツをする時間も減ってくる。仕事や家族、友人、趣味。どこにジムを入られるか。順位で運動量は変わってくる。食事に注意をし始めたときは、すでに変調をきたしているときかもしれない。

本誌を通じて改めて気づいたのは、食事の改善はサプリメントのようなもの。ゆっくりとした時間軸で効果を楽しむこと。生涯続けるつもりで効果的な食を楽しむ。そうであれば勢い良いこまず、まずは健康的な1食からスタートすることが大切そうだ。また食事を減らすことも大切なようである。

最近メディアでも活躍する南雲吉則氏は次のように語っている
『お腹が鳴りさえすれば、1日2食でも3食でもいい。飢餓状態でたらふく食べる夕飯は、ものすごくうまく感じます。好きなものを1日1回食べて、爆睡。そして、4時に起きて日光を拝み、やる気に満ちあふれたスタートを切る。これが私のとっての最善の習慣なのです』

要するに1日3食の時間軸でなく“腹が鳴るまでは食べるな”ということのようだ。また工藤公康氏は『…内蔵を休みなく働かせると疲労する。時にゆっくりと休ませることで、機能が回復するのがわかるんです。栄養を吸収して、わるいものをしっかり出せるように、内蔵の状態を整えること。それが唯一の健康法です』

南雲氏の“集中力を研ぎ澄ます”工藤氏の“休ませる”目的は違えども食の回数を減らす効果はあるようだ。昼食後に眠くなることや少しゆっくりしてからなど思うことがある。空腹を楽しむ・付き合うという意識が必要なのかも知れない。

また“体に効く野菜の食べ方図鑑”と野菜の効果、食べ方、NGまで解説をしてくれている。見出しには“..野菜が秘める健康機能を正しく理解すれば、病気にならない食生活に、より近づける。中高年男性にお薦めの野菜と、効率のいい食べ方を紹介する”とある。野菜なくして食生活の改善などありそうにない。

食材から食し方まで親切に教示してくれる。常に気づかえるように手元に置きたい一冊だと思う。

 

HBR 2012/5

On 2012年6月8日, in 経営戦略, by admin

HBR 2012/5

Finding Great Ideas in Emerging Markets ネイサン T. ワッシュバーンら

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2012年 05月号 [雑誌]

 BOP(base of the pyramid)への意識が一層高まっている。G20全体の成長率が鈍化していることからかも知れない。しかしそれ以上にイノベーションが生まれていることが要因のようだ。本論はイノベーションのポイントはマネージャーにあり、その人物像を具体的に提示いている。この理論はBOPに限らずイノベーションを可能にするマネージャーの特徴として捉えても良いのではないかと考えている。

本論ではイノベーションを可能にするマネージャーを『世界の橋渡し役』と名付けている。世界の橋渡し役とは新興国市場におけるイノベーションの潜在力を認識し、現地発のアイデアを創発する。それを本社に売り込める人材である。
ここではGE、インテル、コノコ・フィリップス、ブリックス・アンド・ストラットンなどの成功事例や52人のマネージャーにインタビューを行い『世界の橋渡し役・人材育成方法と組織体制構築方法』を提示している。
 

まずは橋渡し役の適正者の特徴を4つあげている。ひとつめは“現地スタッフと信頼関係を築き維持できる者”とし、次に新興市場の理解者であること、3つめとして長い職歴を持っていること、最後に本社への売込み力が必要だと述べている。

こうした能力を持った橋渡し役の行動を大きく3つにまとめている。まず当然のことながら『アイデアを出す』といことだ。それは現地の本質を見ることだと言い『橋渡し役の仕事に必要なのは“見たいものを見る”から“見るべきものを見る”への本質的な変化である』と述べている。自らは本社視線からスタートを認識することだと表現している。

次に『翻訳者を育てる』をあげている。翻訳者とは“現地の理解し橋渡し役に説明ができる人物”だと延べている。

最後の『実験』の大切さを説いている。それはテスト・マーケティングを行うことだ。その成果を持って本社の理解を得るということになる。

 
 仮説をエスノグラフィーで検証する考え方に近い。検証で競争環境を含めたリサーチとなる。そこでは現地の空気をも理解している翻訳者が必要だということだろう。マーケットを理解しようとするとき、固定概念にとらわれやすい。しかしマーケットは常に進化している。これはBPOに限ったことではない。どのマーケットも常に進化している。橋渡し役を含めてマーケットを翻訳できる人物が必要なのでないかと考える。

  戦略構築の参考にしたい論文であった。

 

ユーロ・リスク  白井さゆり

ユーロ・リスク (日経プレミアシリーズ)

日経2面(迫真)に欧州の特集が組まれている。スペイン人のアナは法学と経済学を修めた弁護士。しかし『友達もどんどん海外に出ているしドイツや英国はもちろん仕事があればアジアでも米国でもどこでいくわ』と述べている。優秀な若者は『外』へでる。知の流失だ。

知の流失はEUという地域性問題ではない。しかし人口1000万人のギリシャが世界を揺さぶっていることが、知の流失を加速させていることは間違いではない。グローバル化しはリアルな距離は問題ではない。バーチャルですべてがつながっている。我々は自らの問題としてEU問題を把握する必要があると思う。EUの問題基礎知識を学ぶべく本書を拝読した。

本書は『国家の債務返済能力』と民間を含んだ『純対外債務規模』をキーワードとしている。(債務返済能力は『地方を含んだ政府債務残高の対GDP比』であり、経済全体としての債務を除いた対外資産残高が純対外債務規模)このリスク指標をもとに全体の考察を深めていく。

指標は『ギリシャ・アイルランド・ポルトガル・スペイン』と『ドイツ・オランダ・オーストリア・フィンランド』の南北2つのグループに分けた。hi rick south とlow rick northである。だがハイリスクグループを検証してもあまり意味をなさないように思う。それはギリシャ国民が6月17日の再選挙で自己破滅的な選択をすれば、ギリシャだけでなくハイリスクグループ全体が崩壊する可能性を否めないからだ。そこでここでは優秀な北グループとくにドイツを検証したい。

日本もかつては経済は成長し財政赤字は少なく優秀であった。ドイツはいまだ高成績を修め続けている。下記はgoogleパブリックデータから引用したドイツGDP成長率の推移である。

1975年~2010年までマイナス成長は3回しかない。5%を超えるような成長は見ないが着実に成長を重ねている。この要因は何か。

ひとつには東西ドイツ融合がある。一時的に経常赤字にはなるが、労働組合との折衝により賃金伸び率を低く抑え競争力を保った。次に憲法を改正してまで“財政均衡方”を成立させたことだ。本書によれば『2016年までにGDPの0.35%を超える「構造的財政赤字」を発声させることを禁じたのである。2020年以降の構造的財政赤字は認められなくなる…..
これら5ヶ国は地理的に見ても北方に位置している。オーストリア、オランダ、フィンランド、ルクセンブルクの財政規律や競争を重視する経済政策についての考え方はドイツに近い』

“自らに対する厳しさ・民主主義への参加”これが成長の秘訣ではないのだろうか。ケインズ経済政策とは真逆に近い。だがコモディティ化した物造りは安価な人件費の国でつくられる流れは止まらないだろう。成長させなければという危機感がイノベーション産み出すのではないか。

本書は日本との対比はまったくおこなっていない。しかし読み手はどうしても日本と比べながら読んでしまう。国民全体が負担をしつつ厳しい目線で行政や政治を観察する。この姿勢が求められるのではないかと思う。

EU問題の基礎がわかる一冊だと思う。