50代からの選択   大前研一

On 2012年6月24日, in life Style, by admin

50代からの選択   大前研一

50代からの選択

2004年初版刊行なので10年程前に書かれたことになる。インテリジェンスでエネルギッシュなイメージ。しかし都知事選(1995)の落選以降はクオリティ・オブ・ライフを軸にしているらしい。それでも大学を創り十分に活動的であり、快活に生きているのが伝わってくる。平均寿命82.93歳。いまの斜度で延びていくと10年後には85歳位になりそうな勢いだ。定年後の20年をどう過ごすかは人生の大切な問題である。

著者は50歳の落選を機に人生をリセットした。確かにリセットが可能なラストチャンスなのかもしれない。「50歳前後というのは人生の最後までを見通してカウントダウンを始めるには、最適の年齢だと思う。あと何回の夕食、あと何回の旅行、と数え始めたらどれも適当には流せなくなる。そうやって生きるあと25年、30年はとても密度の濃いものになるだろう」と述べている。大学を出て就職をする。そこで概ねの人生が見えた時代は過ぎ去った。サラリーマンが一線の仕事を習得するまでに約10年だと著者らは言う。また仕事の仕組みの変化し50代になれば同期すら難しそうだ。そうであれば30代~40代前半がピークとなる。

そうはいっても50歳なら、精神やフィジカルを保てるラストチャンスでもありそうだ。いま目指すものがないのなら体力増強だけでもしておきたいところだ。もうひとつは価値感だ。現在の延長線で描ければ良いがそうでなければ転換が必要なのだと思う。「…だが、今は違う。変革期に新しいことを始めようとするときにものを言うのは古い知識や経験にしばられず、それまでのやり方に疑問を投げかけ、思い切って新しいものに懸ける行動力だ。こんな時代はやっぱり若い者勝ち、古い秩序の染色体が入り込んだ人たちの過去の経験では通用しないのだ。デジタル社会そのものは、決して若い人でないと理解できないものでもついていけないものでもない。だが、デジタル社会が引き起きしたドラスティックな社会変革に即応できるビジネスリーダーとなると、やはり若い才能の出番ということになるだろう」著者のこうした考え方を踏まえると、30代~40代の間にそれ以降も活躍できる能力を身に付けて必要がある。しかしそれは知識ではない。

知識は陳腐化する。つけるべきは知恵を産み出す源泉なのではないか。年齢層が違うからみきわめられる洞察やクリエイティビティ。そんな気がしてならない。 “染み”を取り除き鍛えることが最初の一歩のように感じる。

 

One Response to 50代からの選択   大前研一

  1. カク より:

    今年50歳になりました。19歳からずっと仕事をしてきましたが、夢、ほしいものを実現したり、手に入れたりしてますが、貯金は全然ありません。だれもが不思議におもうのでしょう。50代からの選択を是非読んでみたいものです。

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