本書はコンサルタントだけでなくリーダーが今日から実践できる。
言葉の大切さを日頃感じ無い日はない。相手の状況や立場を重んじる。何かあったのかなと感じる洞察力とそれを気づかう力。これはリーダーだけでなくすべての人にとり大切なことなのだと思っている。自分を分って欲しいと思う心をほんの少しだけ出さないだけで、相手のことが理解できるのではないかと思う。「ひと言力」に加え“傾聴力”を身につけることも大切だと思う。
本書もこうしたことを前提に論じている。冗長的な話はいつのまにか本来の目的を脱してしまうことが多い。結局何が言いたいのかなと思うこともある。著者はこうした話し方を含め次のように述べている。
「人に話す前に、自分の中で明確な結論を出すこと、これが“ひと言に凝縮して伝える力=凝縮力”の基本である。本人でさえ考えが明晰になっていないのに、他社を納得させることなどできるわけがないからだ。
頭の中に、ある問題の原因や解決策が浮かんできた時に、「つまりどういうことなのだろう」と考えることで、余分な言葉をどんどん削っていく。そして最終的には問題の原因や解決策を、ワンセンテンスで言い表せるところまで凝縮させていく。するとその言葉は贅肉が削ぎ落とされているので、本質を突いた表現となる」
これがコンサルタントとの“ひと言力”だと著者は述べている。実はこれ結構難しい。理解を得ようとするあまり冗長的になるときすらある。そういう時は得てして失敗するのだが。電車などで見かけるがこの症状は酒が入る一層悪化する。最近はひと言で言えるとよいのだが、そうでないときは3つに凝縮することにしている。すこしでも飽きさせない、相手を引きつけることができるのかなと思う。企業内などだと背景が一緒でよいのだが相互の環境が違うと中々理解をえるのは難しい。相手の立場で話すことこれが対話の条件なのだろう。
本書では著者がよく使う「ひと言」を含め数多くの言葉が紹介されている。頭の隅にこの言葉があるだけで価値ある対話が楽しめそうである。
クラウドを利用したオフィス365が昨日
発表された。ワールドビジネスサテライト
でも取り上げられておりご存知の方も多い
と思う。
今後サービスも進化しより使いやすくなる
ことを期待したい。しかし”大塚商会”が
入り込みことでデジタルからアナログに後
退しているような気がする。
著者過激であることを割り引いても“歴史力”を身につける必要性はあると思う。一般に歴史は高校で終える。その後は司馬遼太郎などで興味を深める程度だろう。こうした国家観を考えているとは思えない歴史や国語教育がいまの国の有り様を作っているのではないだろうか。著者は冒頭【歴史力なき民族は滅びる。歴史力なき民族は誇りを喪い、自己への信頼を抱けず、遂には心が萎え、精神的な滅びに至る】と述べている。中谷巌一橋大学名誉教授の講義を2年程前に半年間に渡って受けた。企業論なのだが、初回講義で10冊程の指定図書を読むように宿題がでた。目的は日本の文化、文明、宗教観などを得とくするためだ。歴史力の無さと貧弱な創造力は結びついているように感じた。これは歴史力だけではない。リベラルアーツ全般の不足と言える。
こうした歴史力を身につけるのに本書が適切か否かについての自信はない。今後も持続的に学ぶ必要性を痛感している。
著者の“中国”への不信は強い。些か過剰だとは思うのだが、いまこうした考えがあること、本書で述べている史実があうことを我々はしっかりと身にける必要があるのだと思う。著者の思いを引用して紹介したい。
「日本でも多くの人々が中国側の言い分を鵜呑みのし、或いは中国の主張はおかしいけれども、結局日本は非難されても仕方がないのだと諦めてしまうケースが目立つ。もし、日本側が牛国の主張に疑問も抱かず、反論もしなければ、事実だとされていく。…. “卑劣な国家”としてのイメージが固定化されていくのである。中国の主張は、欧米諸国に拡がり、歪められ捏造された情報は中国政府の悪意ある支援を得て、さらに広く深く浸透していくのである」
中国との経済交流が今後も続くであろうことは間違いない。正確な自国の歴史を知ること、その上で自らの立ち位置を決めることが我々に求められているのではないか。尖閣問題を始め、横暴な振る舞いが日常化している。“駄目なものは駄目だ”という凛とした態度が必要ではないかと思う
震災と節電の影響から業況判断指数は大幅マイナス
となった。4~6の震災直後より落ち込みを見せて
いる。法人、個人ともにマーケット全体が縮小傾向
にあると考え必要がありそうだ。
現場でプロが培った Google Analyticsの使い方 (WEB PROFESSIONAL)
Google AnalyticsとはGoogleが無料で提供しているアクセス解析だ。以前より知ってはいたものの使ったことは無かった。Analyticsを使いこなすことでCPA効率が少しでもよくなればと考え本書を手にした。
細部まで懇切丁寧に説明をしてくれているのが本書の特徴だと思う。プロを対象としているようで些か不明な言葉が多い。よってネットで意味を確かめながら読むこととなった。
Webマーケティングが戦略として欠かせないことは言うまでもない。中小企業経営者は要所を自ら抑える必要があると考えている。要所を引き出すのがアクセス解析である。それも持続的に日々ノウハウを積重ねる必要がある。当然のことながら、他社も日々進化すると考えなければならない。まず目標設定可能な資料をアクセス解析から集め、目標を設定する。次に他社水準まで自社が成長する。その上で戦略とマイルストーンを定める実行する。こんな形が浮かんでくる。
マーケティングの要ではあるがアウトソーシングといった方法もある。制作をアウトソースするのは吝かではないがマーケティング全般は自社で行うことが望ましい。理念、コンセプト、実践が絡みあって成立するからである。旧来の広告代理店の使い方と同様だと考えれば良いのではないか。
わたしには読み返しが求められる。しかし良い参考書であることは間違いない。
日経28日にベンチャーキャピタルについての
記事が掲載された。低調なのは国内であって
海外ベンチャーの投資は成長している。SBI
をは国内21%減に対し海外2.4倍の数値
が残されている。
以前”どういう企業に出資をするのか”とい
う質問をベンチャーキャピタル協会の呉会長
にしたことがある。
【ボード】で判断するという答えを得た。ボ
ードメンバーの能力が肝になるということだ
った。ビジネスモデルの特殊性は必要なこと
だ。しかしこれは必要条件であって十分条件
ではない。また概ねのビジネスモデルは何か
の改良にすぎないのが現実である。
このMEWSは”なぜ海外企業なのか”や国内IPO
の現状を教えてくれる。
本書は1975年に文藝春秋からの出版を2009年に改訂版としてちくま文庫から再販されたものだ。当時を少し調べると日本は終戦から30年、沖縄返還から3年、学生運動も終焉を迎えてきた。しかし翌76年、田中角栄元首相逮捕。混沌からの離脱はいますこし時間を必要とするようである。
“独学のすすめ”とあるが学校教育を正面から否定しているものではない。明確には述べていないが“教育システム”を否定しているように感じる。どこかに“受身の学び”が蔓延としていたのかも知れない。学ぶ“意欲”について著者は次のように述べている。
「アメリカの心理学者にD・マクレランドという人がいる。その著書….達成動機という題で日本語に訳されているから、すでにご存知のかたもいらっしゃるかもしれない。
この書物はかなり大きなホンダが、その要点をかいつまんでいうと、およそ社会が生き生きと活気をもっているときには、かならずそれに並行、あるいは先行して、その社会を構成する人びとが強い“達成動機”をしめした時期がある、という一種の歴史心理学なのである。
達成動機とは何か。それはわたしたちの日常言語におきかえて言えば「やる気」ということである。なにごとかを成しとげてやろう、という積極的な気構えのことである。そういう“やる気”が根源になって、社会は発展し繁栄する、というのがマクレランドの学説なのだ」
何かを成し遂げるには“学び”が必要である。学ぶことで目標達成へ近づいていく。希望のつくり方の著者である玄田有史、東大教授は勉強だけだが問題を解決すると論じている。無論、座学だけを指しているのではない。職人のような技術力も含むだろう。“やる気”モチベーションが根底にあることが基軸なのだ。さらに言えば求める完成度が重要なのだと思う。尊敬をする友人の行動を見ていると“そこまでやるのか”と思わせられることが多々ある。その都度内省し自己の行動を振り返るのだが中々その域に達することはできない。己の未熟さを恥じるばかりだ。
本論から些か脱線するが、D・マクラレンドは“やる気”と“社会の発展と繁栄”を結びつけている。企業に置換して考察すれば当然のことだと思える。しかしどこかいまの日本社会そのものを言い表すように感じてならない。失われた20年というが決してそうではない。小泉内閣の5年間は社会に光明があったように感じる。守旧派は否定ともどることの無い時代を夢見ていた。そうでない人はどこか前を見ていた“やる気”があったように感じる。“やる気”が経済を押し上げたに違いない。
学ぶということを通じ何ができるかを考えさせられる一冊だった。
本書を一言で言い表せば“奥深い”という言葉が適切だと思う。経営者とは“こうあるべき”ということを超えロジカルにサスティナブルな発展を可能とする経営者を浮かび上がらせている。愚直な実行力や力強い胆力が経営者に求められるのは言うまでもない。そうした基礎的な能力を超えて何が必要かを教示してくれるのだ。
ここではオーナー型経営者を軸に考察を深めたい。
起業の失敗率は他国でも高い。経営者の自伝などを読めば修羅場を幾度も乗り越え成功に至っていることがわかる。そこで必要なのは強い精神力となる。しかしあまりにそこが強調されるのは如何なものかと思う。“ロジカルな思考力とそれを支える知識”このうえにドラッカーや論語のような言葉の力が必要なのではないだろうか。
経営者の重要な職務に【戦略的意思決定】がある。意思決定をする者が経営者なのである。中小企業の場合は“最後は自分一人”で決定をしなければならない。本書では戦略的意思決定、管理的意思決定、業務的意思決定の3つに分けている(A、Dチャンドラーの引用)が中小企業は不透明性が高いことからすべてを含めて意思決定としたい。ドラッカーは【戦略的な意思決定においては重要かつ複雑な仕事は、正しい答えを見つけることではない。それは正しい問いを探すことである】としている。“問を探す”日々の実践では高い問題意識を持つということになるのか
問題意識は自社や業界だけでなく社会的視点から俯瞰した考察が経営者には求められる。著者は意思決定について「経営者は何をする人なのか。これまでの役割と機能に関する学説や調査結果などを通じて優れた経営者に共通する特徴を見てきたが、これらの経営者機能を突き詰めれば【意思決定】機能に集約できると言ってよい」こう述べたうえで「企業経営の目的が、企業を長期的に維持・発展させることにあるのは論をまたがないが、そのために必要なのが利潤であり、それは長期的には経営者の経営施策上の意思決定に依存していることは言うまでもない」
“意思決定が利潤を生む”このことばの礎は“渋沢栄一の論語と算盤”ではないだろうか。論語をいまの文脈に直せばナレッジであり正しい判断、選択をする倫理観である。こうした考え方がサスティナブルな企業発展を可能にすると思う。
とかく不透明な時代ではある。決して夜明け前といえないだろう。しかしこうしたときこ“経営者の条件”をひとつひとつクリアすることが求められるのではないか。
Google AdWords&Yahoo!リスティング広告対応 リスティング広告 成功の法則
SEM成功の法則に引続き本書を拝読。知った気になっていた自分に反省というのが実感。枠組みを定める戦略でなければ、落としこぼれがないように緻密に、精緻に摘み上げるのが戦術の原則。これからしばらくは細かい積重ねが続く。広告コピー、単価、キーワードひとつひとつ丁寧に練っていくようだ。本書でも掲載されているPDCAを幾度も回す。漏れを少なくし、トヨタではないが“乾いた雑巾を絞る”ことで完成に近づくのだと痛感した。
本書PDCAのAはAction でなくAct(処置、改善)とある。“小さな改善と処置”ということになるのだろう。具体的でもあることから引用し紹介したい。
P Plan 計画
目標獲得件数の設定・目標CPAの決定
ターゲットの選定
競合他社の分析
キーワードの展開
キーワードマッチの選択
入札価格の調査
広告文のセールスポイントの見極め
リンク先URLの選定
1日の予算
D Do 実施・実行
アカウントの解説
アカウントへの入金
コンバーションタグの設置
キャンペーン、広告グループの作成
キーワード登録
広告文の入稿
C Check 点検・評価
1日予算の消化傾向
CPC(平均クリック単価)の推移
CPA(顧客獲得単価)の推移
顧客数の推移
A Act (処置・改善)
予算が増える場合のAct (処置・改善)
新しいキーワードの発掘
Big キーワードへの入札
新しい広告配信先の追加
完全一致の部分一致
低いCPAで推移しているキーワードの高額入札
キャンペーンの予算設定額の増加…など
予算を抑える場合のAct
余分なキーワードの削除、入札価格の引き下げ
CPAが高騰しているキーワードの削除、または入札価格の引下げ
余分なキャンペーン、広告グループの停止、及び削除
部分一致の完全一致化
表面化している各社共通のPDCAだけでもこれだけある。まずここをきちんとクリアしたい。本書を多様な活用方法があると思う。チェックリスト作成や強化項目の参考書として十分役立つ一冊だと思う。