現場でプロが培った Google Analyticsの使い方 (WEB PROFESSIONAL)

なかなか思うように数値がでない。こんな時必ず手にするのが本書である。辞書のような扱いになっている。当社のようにリスティングを主体としたSEMは一件あたりの獲得コストが課題となる。ROIを高めるにはサイト訪問者をいかに契約まで結びつけるかがポイントとなる。いわゆるコンバージョンを高めるということだ。

webマーケティングは数値に現れる。数値を読み改善改良を繰り返す。私は相関関係に特に注視をする。相関関係を明らかにできると結果を得やすいだろう。しかしこれは以外と難しい。著者は次のような例題で説明をする。

「相関関係とは、2つの変数の類似度をー1~+1で表す指標のことです。….関係が強いか弱いかと、原因―結果の関係にあるかは別の話なので相関関係は因果関係を表しません。たとえば雨が降ると、道路が滑りやすくなってタクシーの事故数が増え、傘を差すのが面倒でタクシーの乗車数が増えるとします。このとき、タクシーの事故数とタクシーの乗車数の相関関係は高くなりますが、両者は「雨が降った」という共通の原因によって起きるだけで「タクシーの事故が増えるとタクシーに乗る人が増える」という因果関係にはありません」

こうして読むとあたりまえのこと。だが日頃は“因果関係を明らかにしたい”との強い思いで分析をしている。そうすると不自然に結びつけてしまうことがある。またあたり前のことを発見したような気持ちになることもある。それを回避するために、定期的にゼロベースから考えることにしている。

当面はアナリティクスを含めたweb分析が課題となる。好きなマーケティング。コンサルができるレベルまで自らを成長させたいと思っている。

 

人物をつくる―真のリーダーに求められるもの (PHP文庫)

著者には強い刺激を受ける。それは【人間力】を説くからだ。人間力とはどれだけ【徳】を持っているかとも言える。当然のことながら経営者は“徳”がなければならない。徳を持つとともに、志を立て実践をする力も必要である。実践力とは継続力と言い換えることができる。それがなければ会社は存続できない。そうした力を身につけるためには“正しい精神力”が必要である。本書はそうした精神力を教示してくれる一冊だ。精神力がなければ何もなし得ることはできないと思う。

精神力の大切さについて著者は次のように述べている。

 「明治維新や戦後のめざましい復興や経済成長を考えるとき、日本の伝統的な精神がいかに大きな役割を果たしたのかは明らかであります。そして、その伝統的精神を十分に継承されていない戦後教育で育った人間が、果たして先人たちが成し遂げた偉業に並ぶようなことを成し遂げられるのでしょうか」

成し遂げたいことは個々人によって違う。問題は時間との兼ね合いだ。震災をふくめ、昨年はいろいろと考える機会があった。大きく変わったことのひとつに時間についての考え方がある。それは中、長期的視点から時間を惜しむ心が強くなったことにある。著者は時間についてつぎにように述べている。

「..従って、この一瞬一瞬をどのように生きるのか、この一日一日をどのように生きているのかということが、その人の一生を決めていきます。ですから時間が大切なのです。時間を惜しむという意味では“惜陰”という言葉があります。人はそれぞれの人生の目標、天命を真剣に生きていかなければなりません。それを生き抜くしかないのです。…..もっと自分の時間を大切にしなければならない。いったい自分はどうするべきか。それについて、はっきりとした目標を持たなければならないのです」

“天命”が何なのかは、わからならい。だが自身のためでなく【人】のために生きることが大切であることだけは間違いはない。まずは“身近な人”の幸せのためということになるのだと思う。そうしているうちに天命を知るのだと考えている。知るはインスピレーションとでもいうのか精神性から感じるのだろうと思っている。

このように本書は多くのことを教示してくれる。本書に出会えたことに心から感謝をしたい。少し本書のレビューを重ねたいと思う。

 

中身の濃い2時間だった。組織が構築されることでビジネスは始めて展開する。弊社のような、セクレタリーサービスをご利用頂くにしても、組織は必要となる。中小企業に限っていえば、戦略とマーケティングは一体化されたものだと捉えている。組織はそれを支える礎だ。構成する“個々人”と企業のベクトル一致させることが重要である。

小杉氏は“目標設定、モデル提示、従わせる”という従来のリレーションシップの時代から“正しい事とは何か・使命感を持った仕事・人間性の重視”といったリレーションシップが大切だとし、これを「リレーションシップ3.0」だと述べる。最近の事例では、原発やオリンパス問題は旧来型リレーションシップによるところが多い。3.0の代表的企業としてGoogleがあげられる。

こうしたリレーションシップ3.0で求められるリーダーシップが「パーソナルリーダーシップ」だという。ひと言で表すと“内発的動機を引出すリーダーシップ”となる。所得や地位など外的要素ではなく、使命感で仕事をする。こうしたことを可能にするリーダーシップが求められるという。パーソナルリーダーシップとは、自己理念を定め、ビジョンを描き、目標を設定し日々成長するというマイ・リーダーシップを指すケースが多い。

講義でも延べられていたが、まずリーダー自らが使命感を持ち仕事に邁進することが求められる。具体的像としては、高い精神性、人間味、使命感が必要となる。求められるのは、人間力である。組織の側から見ると “いっしょに仕事をしたい人”となる。そうしたリーダーとなるには“自己を開放”するオープンなリーダーでいる必要があると延べられていた。仮面を取り素の状態で接することが大切であるという。そうしたうえで傾聴と理解、誠実な言葉、受容と共感、感知と予知、後ろ盾、癒しなどが求められるという。

組織の変革はこうした能力を持ったリーダーを求めているとのことである。シャープが台湾EMSの資本を受け入れるとのNEWSあった。SONYとサムスンも噂が絶えない。かつては日本企業と米国メーカーもそうした関係にあった。パーソナルリーダーシップの原点に戻ると、企業と社員の関係性が変わったということである。数年で携帯電話からスマートフォンマーケットは変わった。ソフトが重視されればスマートフォンメーカーは世界で2~3社あれば十分だろう。その端緒は、東芝の富士通への事業部売却、NECの1万人リストラに現れている。会社が求める能力は必然的に変わってくる。

社員は常に学習し自らを磨いている必要がある。そうでなければ求められる人材では無くなってしまうのである。それを可能にするにはポジティブオフなのかも知れない。知を磨くだけでなく感性を含めた人間力を磨くことが求められるのである。

組織論、リーダーシップ、モチベーションといった成長の要である【人】について学ぶ必要性を強く感じている。大変勉強になったセミナーであった。まずは小杉俊哉氏の本を一通り読むことにする。

 

POSITIVE OFF   日経新聞

On 2012年3月27日, in 雑感, by admin

シンポジウム・POSITIVE OFFの記事が3/27付の長官に掲載されていた。副題には【日本経済を活性化するライフスタイル・イノベーション】とある。経営をしているとon offの区別が無くなりやすい。逆に“しているつもり”になっているようなケースもある。こうなるとOFFとONの境界がない状態に近い。Gate(雑誌)とは真逆に位置する。こうしたことはさておいて本題に入りたい。

ずいぶん前になるが日本人は働きすぎと言われたことがあった。このブログを執筆にするにあたって他国との比較を調べて見た。厚生労働相の調べによると、最も休日が多いのはドイツで143日 フランス 140日 英国 137日 米国127日 日本127日とある。内訳に有給休暇8国民の休日15日、週休104日とある。土日の週休はどの国も変わらない。しかしどこの会社でもありそうな“正月休みや夏季休暇”がここには含まれていない。また有給休暇も労基法上は15日と定められている。他国もどうようかもしれないが日本に限って言えば10日はプラスしたいところだ。このあたりが自然な数値ではないだろうか。こうした数値は全体平均でなく、業種やレイヤーなどで改める必要があると思う。

このように世界でもトップクラスに休日が多い日本である。しかしこうしたシンポジウムが開かれるほど充実したOFFを過ごせていないのだろうか。コーディネーターの白石真澄氏(関西大学教授)は「個人が人生をデザインする」ことの大切さを説いている。経営者である私は、デザインの大切さをとても大切に感じている。デザインをしないということは流されることとなる。言葉を変えると“環境に任せる”ということになる。サラリーマンの場合はいままで企業がデザインをしてくれた。低金利の住宅ローン、企業年金と企業の流れに乗っていれば間違いがなかった。しかしこの仕組が崩壊しつつあり、自らデザインする以外に無くなったのだと感じる。

デザインをするにはポジティブ・オフの時間を過ごすことが必要不可欠となる。オフを活用することで自らを磨きパワーを付ける。これが必要不可欠であることは明らかだ。こうした時を過ごすことがポジティブ・オンにつながっても行く。法政大学教授 武石氏は「社会人学生は…労働時間の長短にかかわらず、自己を自己啓発や社会貢献が必要だという価値観を持って時間を作っている。オフとオンは表裏一体で自分にとっての「ポジティブ・オフ」を考えて行動していくことが、ポジティブ・オンそしてポジティブ・ライフにつながる」と述べている。

 ポジティブ・ライフを過ごすためには、多方向から自己を見つめる必要がある。健康を含めたバランスを崩さないようにする必要がある。いろいろな気付きを与えてくれた本誌に感謝。

 

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

本書には理論物理学博士、外資系投資銀行勤務とある。内容が際立っていたことからwebでも略歴をしらべて見たが実際のところはよくわからない。出版社責任で略歴は信じることとする。

まず著者は石炭、石油の化石燃料のほうが原発より危険だと言う。次に経済的影響についての説明を加える。本書の数値はWHOなど公式なものや論文などを引用したものが多い。数値は機関などによって違いはあるが説得力があるものが多い。たとえば“大気汚染リスク”についてつぎにように説明をする。

「WHOの調査によると、日本ではだいたい3万3000人~5万2000人の人が毎年、大気汚染で亡くなっています。世界では100万人以上の人が大気汚染で毎年死んでいます(WHO 2009)このうち自動車の排ガスを原因とするものが半分程度で、火力発電所の煤煙が3割程度です…」また「国連科学委員会はチェルノブイリ原発事故の後も、注意深く放射能汚染の人体への影響を研究してきました。(UNSC 2008)そして事故後20年間の研究結果を報告しています。その結果、今までのところ事故直後の高濃度の放射性ヨウ素に汚染されたミルクなどを摂取した子供に、通常よりも高い頻度で甲状腺癌が発生したことが判明しています。4000人ほどの甲状腺癌の患者が見つかり、現在まで15人が死亡してしまったそうです。また事故後の緊急作業に従事し、急性放射線症やその後の癌などで50人ほどが死亡していました。しかしそれ以外の放射線による健康被害は現在のところ見つかっていません」

反原発者に対する著者の問いかけである。私は飛行機や車などの事故も利便性とトレードオフの関係にあるのだから原発を一方的に避難するのは如何なものかと思っている。ただ万一の場合被害地域が限定されてしまう。犠牲を強いる地域と利便性を受け取る地域の差が生じる。この問題の妥協を得るには“信頼できる政府”の存在が必要だと捉えている。それは実績を信頼である。もう言葉では難しいだろうと思う。著者はWin-Win の関係だというがその点については噛み合いそうもない。著者の言葉を紹介したい。

「電機に限らず、都市に必要な水や食料なども、ほとんど全てが地方からやってきているのです。核燃料税などにより、そのリスクを引き受けた地元住民に経済的な見返りがあるは当然なのです。そういった電力会社が治める税金は、電気代に転嫁されます。安価な広い土地がない都市の住民は、電気代を通して原発立地県にお金をお支払い、そして電気を作ってもらうことにより便利な生活を享受しています。これはWin-Win の関係で、他の経済活動と何ら変わりのない普通のことです」
経済・お金,….この辺の感性で語る保証政策には心がない。基地問題もこれに准ずるのではないか。もっと相手の立場にたって考えるべきだろう。生産手段を失い失業となった農家にできるのは、経済援助だけでなく明確な希望が持てるようにすることだろう。失業という状態からすこしでも仕事を出せるようにすること。人の喜びの原点から考える必要があるのだと思う。

こうした同意できないこともあるのだが、著者論理には惹かれるところが多い。「多様な角度」から原発問題を考えて行きたいと思う。

 

テーマは「なぜ我々は志を抱いて生きるのか」気がつけば涙腺が緩くなっている自分がいた。人生に往復きっぷはない。その瞬間は2度と戻ってくることはない。日々雑務に追われて生きていくといつのまにか【志】や【目的・目標】を失念していることがある。それよりも【志】とは何かについて正面から向き合って考えたことがあったろうか。広辞苑によれば【心のむかうところ。心にめざすところ】とある。だがどこへ“むかい、めざしたら”たら良いのか。

志とは【与えられた人生において多くの人々のためにそして世の中の人々のために大切な何かを成し遂げようとの決意】であるとの教示を得た。自己理念を考えたとき、自からの【存在理由】とは何かを考続けた。結論は “身近な人の幸せ”だと思った。しかし日常の生活では得てしてこうした“生きる目的”を忘れ日常に流されてしまう。気がつけは身近な人の幸せを犠牲にしている自分がいることが多々ある。失念していた瞬間は二度と戻ることがない。しかし悔やんでいる時もまた取り返すことができない。すべてを受けとめいまある自己から未来に向かって歩むしかない。その上でそうした過去の解釈を変えられる自分に成長するほかないのだと思う。

田坂教授は“ニーチェは【人生を終える時、もう一度同じ人生を繰り返すことができるか】と問うたとき【然り】と答えたという”人は誰でも“あの苦労、あの失敗、あの挫折”さえなければと思うという。しかし悔いの無い人生とは【困難、失敗や敗北、挫折や喪失】では無く、それがあったからこそ“成長”することができたと語れる人生ではないかと言われる。

こうした哲学的なことでなくとも、将来どうなりたいのかについて正面から考えた人とそうでない人では数年で大きな違いがあるように思う。違いとは、経済的な豊かさを指すのでない。不平不満がない豊かな心ではないだろうか。実際の生活ではお金が無いことは不自由なこと。だが心が貧しいのは寂しい。これは二軸でしっかと考える必要があるのだと思う。お金を追求するがために“身近な人”を幸せにできないなどあってはならない。

感慨深い100分だった。2日たったいまも、余韻がさめることはない。50冊をゆうに超える著書の作品をまずはすべて読み込みたい。

 

レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)

帯には“脱デフレへの切り札”とある。実はこの本のレビューを書くことは少しためらった。理由はないように同意できからだ。TPP亡国論などが重版を重ねていることから本書部数も伸びるのだろうと思う。読みやすく経済学理論を用いながらの解説は説得力があるように感じやすい。しかし過去思考から一歩も抜け出ていない。

日本経済がデフレであり経済回復の必要があるという認識に差はないと思う。また財政赤字は膨大でありこの問題も解決をしなければならないと考えている。しかし多少なしかたがないが、生活水準を落とすような増税はごめんこうむりたい。また社会保障という保険体制は万全にしてほしい。一般的な消費者はこんな認識だと思う。政治はこうしたことを担保(言葉に過ぎないが)しながら将来の日本が良くなる改革をすすめると述べている。

本書はこの20年間効果を得られなかった「財政出動」が問題を解決するという。

「…….したがって、経済がデフレに陥ると、民間主導で投資や消費が伸びて、需要を拡大し、デフレを脱却するということはあり得なくなります。デフレでも、投資や消費を拡大できるのは、経済合理性を無視する愚か者だけです。ですが、そんな愚か者がいてくれなければ、デフレ下では需要は絶対に増えません。しかも、何十兆円という需要不足を補うほどに、巨額の投資や消費を行なう大馬鹿者がいなければ、デフレを脱却することはできないのです」

この一節になんの共感も覚えない。たとえば麻生政権で行なった“エコポイント”6930億円を使い、2.6兆円の販売を押し上げたという。だが内製された部品はどの程度なのだろうか。さらには今期の決算でシャープもSONY、パナソニックはテレビ事業が大幅な赤字となり、事業戦略は大幅の見直しとなった。企業はこうしたことがある程度見えていたのではないか。それでも“地デジ化対応”でやらざるを得なかったことのではないだろうか。6930億の投資によって入った売上は国内投資ではなく、海外投資へと転換されているのだ。

また小さな政府と関連付けて“公務員数が少ない”ということを述べている。

「…しかし奇妙なことに、こうした構造改革が始まる直前の90年の時点において、日本の全雇用数に占める公務員数も、GDPに占める政府支出も、先進諸国なかで最低水準に属するほど、すでに「小さな政府」でした。たとえば、日本の全雇用数に占める公務員は、アメリカの約2分の1、イギリスの3分の1程度でした。新自由主義的な改革を行なった後の英米よりも、すでに日本の方が「小さな政府」だったのです」

これは“数”を追求するとそうなる。しかし“規制が厳しい社会である日本”と“緩和社会である米英”では比率に差がでるのは当然のことなのである。こうしたレトリックを使うことは如何なものだろうか。私は上級行政官の給与体系はもっとアップをしても良いと思う。しっかりと所得を与え将来まで保証すべきだと考えている。24年間で19人も首相が変わる、雰囲気で選挙結果が大きく動く。こうした未成熟な環境では行政官である上級官僚が今以上に政策に強い力を持つ必要があるのではないかと考えている。

だが官僚制度のいまののままで良いはずはない。私はここにレジューム・チェンジを求めたいと思う。ほかにも納得が得られない箇所が多々あった。こうした本によって世論がすこしでも動くのであれば極めて危険ではないかと思う。久しぶりにとんでもない一冊にであった。

 

中小企業のためのやさしい経営計画入門―夢を持とう!成功しよう!だから経営計画書が必要なのです

経営計画の大切さを学べる一冊。現在当社では中期経営計画を作成しています。理想=ビジョン設定、現状分析、戦略、オペレーションと落としこみをしています。期間は概ね3年を目安にプランニングをしております。本書はこのような計画の参考書として読みました。

著者は20数年にわたり中小企業経営の側面を見てきたと述べています。その分析結果をもとに本書は上梓されたようです。その一面は次の言葉にあらわれています

「…経験の中で適正な利益を計上し、発展し続けている会社には次のような共通項が見られます。

1  目的、目標が明確でしかも社内で共有化されている
2  常に顧客に目を向け顧客のニーズに適った仕事をしている
3  社長に先見性とリーダーシップが兼ね備わっている
4  人事評価と賃金制度が上手く組立られている
5  社員教育にお金と時間をかけている
6  社長や社員が元気で明るく前向きな発想をもっている」

私の経営計画に対する考え方はいかになります。まず企業理念を形成する。そのうえで理念、目的を共有する。次にビジョンと目標を設定する。そのうで市場環境、内部環境を分析し戦略を構築する。最終的に経営計画に落し込む。理念やビジョンを創り共有することもとても難しいことです。しかし環境分析やSWOT分析という現実を直視することも以外と難しいと捉えています。そこにはバイアスがかかるからです。“悪い楽天主義”は目を曇らせ現実を隠すのです。結果として対処療法に追われ続けることになるように思います。バイアスは“厳しさを見る勇気”が吹き飛ばしてくれるはずです。しかし望ましいのは第3者との対話ではないでしょうか。

 

イチロー式 集中力

集中力についてはずいぶんと考えさせられました。また、いまもその問題は解決したわけではありません。集中と継続は目標達成のベイシックです。いろいろな方程式が考えられそうです。それだけ大切な“集中力”ですが、どんなときに集中力が欠けるかをリストかすると自分なりの解決策は生み出しやすいように感じています。私は、読書中に集中力が欠けるときは“内容が理解できていない”ケースが多いようです。日に何冊もの文献にあたるときなど、ずいぶんと困りました。そうしたときは“ノートする、図解にする”などで理解を確認して行きました。最近では新聞も時間軸でメモや関係図にまとめたりしています。

我々が求めるのは、バッティングのような瞬間集中力でなく、トレーニング時の集中力だと思います。いくつものキーワードを教示してくれる本書なのですが、そのひとつに【喜怒哀楽】が集中力を欠如させるとあります。

イチローは次のように語っています。

「僕だってみんなと同じように、イライラしたり腹もたちます。だけど、ほかの人にそれを知られたり、闘争心をむき出しにしたくないんです。どんなに気持ちが揺れていてもいつも通りの作業をすることで、自然にバッティングの気持ちに切りかえることができるんです。僕にとっては、いつも通りにすることがプレッシャーに対処するための唯一の方法ですね」

このインタビューに対して著者は次のようにコメントをしています。

「喜怒哀楽を出す人はいつも集中できないでいます。感情は心の嵐であり、集中力を途切れさせる元凶です。….怒りがこみ上げてきても表情にださないこと、安定した集中力を手に入れるには、そういうテクニックを身につけることも必要なのです」

“感情に気づく、言い聞かせる、消し去る”これを日頃から片時も忘れないことが大切なようです。

また“他人と競う”ことも集中力のさまたげになるようです。著者は次のようにのべています。

「イチロー選手は他人と競うことに全くと言っていいほど関心がありません。集中力が培われるのは、自分の中で“できなかったこと”を“できるようにする”とき。“ライバルは他人でなく自分自信”とはよく言われる言葉ですが、自分の中の目標に向かって頑張る時にこそ集中力は培われるのです」

自分に与えた課題を淡々とこなす。達成プロセスをひとつずつこなす。やはり、こうしたことの繰り返しが大切なようです。自己満足の最後の1%は無限大。無限大をひたすら追求することが大切なのだと感じています。愚直の先にイノベーションがあるのだろうと思います。

数多くの教示を与えてくれる一冊です。

 

PRESIDENT    2012・4・2

On 2012年3月16日, in life Style, by admin

PRESIDENT (プレジデント) 2012年 4/2号 [雑誌]

今回は「お金」の特集。成功の証を「お金」に位置づけるのはあまりにも「寂しい」という成功者は多い。私は「貧乏は恥ではないが、ひどく不便なものである」という言葉が的を射ていると思う。
私は「お金」と結果は次の式が成り立つと思う。 “自己×乗数=結果”。自己とは、資本、リソース、投資元本である。乗数は仕事による付加価値や知識、情報である。少ない資本でも技術や人を幸せにできる“仕事=付加価値”が大きければ結果は大きくなる。しかし競争が厳しければマイナスということさえある。在庫処分などその典型だ。

本誌では経営コンサルタントの小宮一慶氏が「8つの黄金の法則」をまとめている。

1 よい仕事に集中している 
2 大胆だが大雑把ではない
3 体のことに注意している
4 人のために生きたお金が使える
5 見えを張らずに身の丈の生活をしている
6 自分は運がいいと思っている
7 失うことに抵抗がない
8 未来はいまよりよくなると信じている

この“表題文”より小宮氏の意図は深い。その一例として「自分は運がいいと思っている」を深堀してみる。

「..うまくいったのは自分の実力のおかげだと考える人は危険です。鏡ばかり見ている人は環境の変化になかなか気づけないし、気づいても自分に都合のいいように解釈して現実から目をそむけてしまう。…..これでは環境の変化に対応できずに淘汰されてしまいます。..謙虚な人というのは、変化を素直に受け入れて、それに合わせて自分を変えていくことができます。自分のエネルギーの向く方向を世の中の流れに合わせていくと、こんどは世の中のほうが自分を大きくしてくれます。社会というのは世の中の流れに抗う人でなく、流れを加速させる方向で力を発揮する人にチャンスを与えるからです」

これは理念や軸となる思考を変えることではない。目的を変えるのでなく、目標や手段や方法の変化だと思う。技術、制度、法律、業界の変動、自社状況な環境は常にフローな状態にある。中期計画の変更は目的を達するうえで必然的できごとだと言える。

本誌は自分を戒める意味でも価値が高かった。あと半月で新年度となる。新たな学び、時間管理、目標達成などの雑誌や本も増える。私は、年初に立てた目標の行動度合を検証することから始めたい。