1日1時間で成功する! Facebookマーケティング

 Facebook国内参加者が1000万人を超えたらしい。いまだミクシィには及ばないがマーケティングとSNSが強い結び付きを見せることは間違いない。広告は企業や商品の良い点を表示し気づきを与える。いわゆるAIDMAが基本となる。AIDMA・PlusがSNSによる【絆】であることは明らかだ。

 商品研究や現場における開発が止むことはない。製造はコモディティ、グローバルが短時間に進む。それは高レベルの競争となり90点で良い商品は価格競争となる。たとえば大手流通はプライベートブランド(PB)がメインの棚を支配するようになる。あらゆる商品の消費者情報が流通には入る。情報の質、量、スピードはメーカーをはるかに凌ぐ。こうした環境下で我々はマーケティング戦略を立て戦術に落としこみ実践し検証しなければならない。

 こうした競争環境はマーケティング事態を変えていく。AIDMAと電通が言っていた頃はTVを中心としたメディア戦略であったがWebサイトがラジオや雑誌の取扱広告費を抜き広告環境も変わった。オーバチュアやアドワーズのWeb広告は基本手的に価格で競い合う。デフレ時代が長引いているが、競り合う広告費は高順位を求め日々高値を更新するような状況にある。しかし【本当に必要か考える】という言葉があらわすように販売には結びつきにくいのが現状だと思う。

 マーケティング担当は顧客との【絆】の深めかたについていま一度原点も戻る必要がある。そこでSNSに視点が集まるのだと捉えている。ここからが本書のレビューとなるのだがSNSのマーケティングのコンセプトはone to oneマーケティングと大きな違いはない。
Facebookなどのツールが違うだけだ。
 
ペルソナ戦略が基軸でありマーケティングキャンペーンについては次にように解説をしている。【マーケティングキャンペーンを成功させたいのであれば、ターゲットを特定し、どうすれば効果的に近づけるかを理解する必要がある。顧客がFacebookを使う理由を探ってください。そうすれば広告コピーやデザインが明確になり、適切なキャンペーンが展開できる】ペルソナの考え方は顧客のプロファイリング化、組織全体での知識共有である。

マーケティングの解はFacebookをツールとして使い如何にone to one を行うかだ。また企業ページ内で関係性構築との波及効果である。ここからの“戦術の組立”がKFSだと思う。
 どちらにしても“SNS”がマーケティング戦略の基軸となることは間違いない。しばらくこの研究を続けたいと思う。

 

震災復興プロセスのイノベーション

10/15土曜日 掲題のセミナーに参加をしてきた。東京理科大大学院が主催ではあるが社会学的観点からさまざまな教示を得ることができた。産業界からは三菱ケミカルホールディングス取締役社長・小林喜光氏 大学からは東実、松島茂教授がパネリストとして参加された。ディベートを集約しながら考えをまとめてみたい。

国内産業界の問題は「国内からの逃避」である。これが顕著に現れたのが震災に見舞われた東北地方だ。電力、雇用など問題の縮図となっている。要するに東北が立ち直るプランを描き実行できれば他に普及させることが可能だと考える。

6重苦と言われる産業界であるが最も懸念されるのは「為替」と「電力」だろう。サプライチェーン民間の問題なので短期的解決がなされるだろう。しかし政策決定に関係するこの2つはおそらく中期的にすら解決ができないと思われる。無論座して死を待つはずはない。当然のことながら生き残りの方法を模索する。全般を通じてその解、キーワードは【複雑性】にあるようだ。
 研究所は【高度研究】、現場は【高度技術】ということになる。セミナーは“高付加価値プラスワンが生き残りの術”という空気で包んだ。

欧州、米国の衰退、インフレに病むBRICSと激変する環境が国内経済をポジティブするはずはない。しかし業界が病んでいても企業単位出みれば“まだら模様”なのが現実である。こうした事実を自己の文脈に落とし“よってどうするか”を経営者は考えなえればならない。

東北の問題は地域の問題ではない。国内問題と照らし合わせて考察する必要があると考えさせられた。

 

ライフスタイル  RUN

On 2011年10月16日, in life Style, by admin

最近のマランソン大会はずいぶんと活況らしい。大きい大会の倍率は相当のものだ。私はそんな大それたものでなく運動不足解消に過ぎない。それでも雨などで走れない日が続くと体の切れが悪い。体調管理、モチベーションUPとランニングから得られることは多い。是非おすすめしたい生活習慣だ。習慣にするには好きなコース作りが必要。そこで今回は四季折々を楽しませてくれる、私のランニングコースを紹介したい。
走るのは朝か夜になる。ここで紹介するのは朝の境川コースだ。この川は江ノ島まで続きサイクリングコースとして自転車雑誌などに紹介されることもある。自宅から500㍍ほどで到着する。

 ここを起点に往復4~5㌔がいつものコースとなる。このコースは休日ともなるとバードウオッチングをする人を見かけるほど鳥が多い。写真の木に巣があるのか朝は囀りで賑やかとなる。緑と鳥の声を聞きながらの深呼吸は気分を新たにしてくれる。寝起きで気分が乗らない日もあるのだがこの場に立つとやはり来て良かったと思わせる。

 この紅葉を間近になるとコスモスが程良く咲き乱れる。日頃は愛でること数少ないがこうして意識をすると近隣やNPOの方々などの手入れを感じ入る。

 3本程度の橋を超えて折り返し地点となる。反対側から走ったコースを眺めながら走り続ける。最初に超えた橋に公園がある。公園といってもベンチひとつあるわけではない。小さな森のよう数多くの植栽がなされ肌寒い朝など凛と貼った空気が気分を新たにしてくれる。山へ行く理由の一つに森と土に囲まれたいということがあるのだが、ここではほんの少しその気分を味わせてくれる。

ここからわずかでラニングコース終える。ここから舗装が完備されていないところもあるのだが季節を数多く感じさせてくれる。

こうした朝の自然に助けられているように感じる。恵とはこうした場と時間を言うのかもしれない。

 

【中国版】サブプライム・ローンの恐怖 (幻冬舎新書)

“中国の危さ”について石氏が論じた一冊。週刊誌的なものでなく、中国の発表や調査をもとにしたレポートである。それは著者経歴からも伺える。著者の石平氏は北京大学哲学科卒業、四川大学講師経て神戸大学大学院で博士課程を取得した識者だ。10/14日付の日経・国際面は【中国内外需に不安要因】として危うい経済について掲載されている。自動車販売台数に紙面の多くが使われ『潜在需要は大きいものの、補助金削減により中間層の新車購入意欲が低下している』とある。サービスを覗いたモノ消費GDPの30%を占め経済に対する影響が懸念される。欧州、米国の経済低下から輸出が減少しこちらの下振れリスクも問題かしている。

 本書はこうした中国経済の問題の根源は過剰な国内投資と高い外需依存度にあると論じる。BRICSの台頭が言われて久しいが決して盤石ではない。現在インフレにも見まわれている中国だけでない。ロシア経済はLNGなど一次産品に寄与するとこところが大きい。シェルガスの開発状況によっては下振れする可能性があると思われる。また日本の軽自動車リッター走行距離は40㌔走るものも生まれている。ハイブリッドをはじめ技術革新の行方によってはレアアースなど一次産品の強みが軽んじられるのではないか。

 しかしGDP世界第2位である中国の失速が世界に及ぼす影響力は大きく、外貨準備高は世界1位である。世界各国への投資やIMFだけでなくEFSTのような欧州への機関にも出資をするだろう。だがその外貨準備高には“からくり”があった。本書そのことについて次にように明らかにしている。

「中国の外貨管理制度の下では、国内企業の稼いだ外貨は企業の手元に入ってこない。それは全部中国政府(中国銀行)によって買い占められて政府の手元にとどまり、政府が持つところの外貨準備高となるわけである。その代わり、中国政府は輸出企業の稼いだ外貨に相当する額の人民元を発行して、輸出の対価として企業に渡す仕組みとなっている」

 その発行される中国紙幣【元】のマネーサプライは尋常ではない。2010年11月の発表によると対GDP比260%に拡大している。本書によれば一般にマネーサプライは50%~70%を推移しているという。このマネーサプライが外貨準備高を可能とし国内投資を可能にしているとも言える。

これから中国経済がどう変化するのかポジティブな要素も多々ある。しかしこうしたネガティブな要素を念頭に置く必要があるのではなか。中国の現状把握に最適な一冊である。

 

無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略 (ちくま新書)

マーケティング担当は悩みがつきない時代だと思う。Webにより戦略は限りなくオープン。独自の戦略構築が難しい時代となっている。無料化は広告、見込客データ入手、One to One…SNSへとつなげる戦略となる。こんな問題意識を持っていたところ本書に出会った。新書のボリュームでありながら「無料化の秘密」をしっかりとあばいてくれている。無料化戦略の基礎知識を求めるのであれば十分に答えてくれる一冊だ。

Googleやyahooの検索エンジンは無料で使える。それだけでなく限度あるにせよメールやサーバーさえも無料で開放している。Webはソフトやサービスを無料で受けられる機会が限りない。日々の生活でもアマゾンの配達料無料。スタバは2杯目が100円。ジャスコやヨカードーは無料配送のサービスを行なっている。通常は有料と考えれば相当なデフレ状態だと言える。商品価格はこれを上回る勢いで下落していく。

マーケットは『デフレ』環境にある。しかし企業は収益を上げ続けなければならない。マーケティングコストは価格に反映することから相当限界があり効率性をより追求する必要がある。“無料”は広告の意味合いもあり広告費に値すると思う。しかし無料で商品提供後に有料に変化させることは難しく相当注意を要するようである。

『…たいていのお店や企業は、複数のモノ・サービス・情報を商品として販売しています。それだけたくさんの価格設定を考える必要があるわけです。同じ商品を、季節や時間帯によって異なる価格で売ることもあり、ランチと一緒に注文したコーヒーは100円というように他の商品との組合せで価格を変えることもあります。毎週水曜日は女性客だけ2割引といった、複数の条件がついた割引もよくあります。このようにしてたくさん設定された価格が、商品の代替えと補完の関係を通じて、他の商品にも影響を及ぼします。一方で、無料も、共同購入型クーポンによる激安も、強いインパクトを持つ価格設定です。…..だから価格設定が上手なお店や企業は、いつでも全体的な価格戦略を意識したうえで、個別の価格を設定しています。その企業全体での価格戦略というパズルを解くうえで、そのなかのひとつのピースとして無料激安をはめ込んでいるのです』

日々の生活でも、夕方に行う飲食店のキャンペーン、デパ地下やスーパーの時間限定や閉店間際から始まり、メールに送られてくる無料や割引など激安に囲まれている。企業はこうした環境化で価格戦略を立てる。この『ピース』をどのように、いつ、誰に対して使うかを熟考する必要がある。無料化は有料顧客を失う可能性もある。著者が言うようにいかにはめ込むかは大変難しいと痛感する。

無料化のマーケティング手法はこれからも開発される。相当な知識武装が必要だと思う。本書はその概略を実にわかりやすく教示してくれる一冊である。

 

ライフスタイル  瑞牆山山行

On 2011年10月12日, in life Style, by admin

 10/10 瑞牆山を楽しんだ。今回は約一年ぶりに大学院の友人がパートナーだ。瑞牆はこれで3回目。なんども行くのは、標高、地形など近場でありながら満足させてくれる日帰りコースだからだ。相模原は前日夜天気が崩れた。そんな心配を他所に絶好の山行日和を迎えることができた。いつものあずさで韮崎に8時37分着。バスで約1時間揺られ瑞牆山荘登山口へ。

 約3時間で2230㍍の山頂を目指す。前半1時間は緩い登りだが清流のせせらぎが聞こえると岩場の急登となる。鎖場が3箇所。他にも岩場に手をかけながらの登りが何箇所もある。何度行っても楽しみが深い。高度を稼ぐと恥ずかしげに色づき始めた紅葉を楽しめた。昨年は八ヶ岳で終わりに近づいた一度きりの紅葉だったが今年はスタートから満喫できそうだ。今年こそ北アルプスへの願いは難しそうだが南アルプスや八ヶ岳がその代わりをしてくれそうだ。

昨年の初夏、この山で節煙を決意。今年の北岳で酒量の減量。どちらも辞めてはいない。いつも山行は何かを教えてくれるように感じてならない。当然ながらWebや本などいつも一緒のツールから離れる。脳内だけで何かを育もうとする。急登はそれさえも許さない。考える事を許されないほど厳しさが本能を引出すようにさえ思える。

 この日も無事山頂へ。 ところどころガスってはいたが南アルプスが一望できる山頂は見事だ。青空の下で味わう達成感はそれまでの苦しみなど瞬時に忘れさせてくれる。この日も最高の山行を楽しめた。

 

PRESIDENT 2011.10.31 手帳特集

On 2011年10月11日, in life Style, by admin

トップが如何に手帳を使っているかの特集。裏を返せば自己管理手法である。私の年齢になって自己管理方法に悩んでいるのは多々問題である。目標→目的→計画→実行→管理がスムーズに回っていれば問題ない。目標の失念、計画と優先順位、実行と継続、このあたりがポイントだと思っている。
時間が足りないというは使い方が悪いか欲張りか(プライオリティの問題)はたまた足るを知らないかこのあたりである。日頃からこのような問題意識が高いことからこうした雑誌はつい買ってしまう。

そんななかで今回紹介したのは、数多くラインを引けたことによる。どれもあたり前のことであり、以前にも目にしていることだが『そうだった』と再び気づかせてもくれた。
前記した『目標の失念』。これについては次にように書かれている「手帳に目標を書いている人はまだまだ少ないようですね。これははっきり言っておきましょう。毎日開く手帳には目標を書くべくでる。目標が達成できない最大の理由は何だと思いますか。それは目標を忘れてしまうからです。….それから目標の締め切り。こちらも年収にかかわらず設定している人は少ないようですが、やはり期限は決めておいたほうがいいでしょう」

ごくごくあたり前のこと。私は手帳に書いているだけでは駄目なので毎日書き写すことにしている。ただ期限と目標を書いているのだがそのためには『……の行動』というのが具体化してくる。友人の“写経”からヒント得て始めたのだが忘れずに、少しでも行動していることからネガティブにはならない。

またアナログ手帳の良さについては次のように記されている。
「アナログ手帳を見返すと半年前のことがこの日に何をしてどうだったかが分かるのです。1年前はこんな人と会っていたのか。3ヶ月前はこんなことで悩んでいたんだ。そういうことを踏まえたうえで、あらためて現在の自分を見ると、その時点から今日までの自分がどれほど成長したかがわかります」

この方法は目標達成の秘訣にように思う。過去と現在を繋げれば目標に対しどのような行動をしていたかが明らかになる。コスト(時間や費用)も明確になる。目標に近づいてないのは以外とコストをかけていないからかもしれない。

今年も残すところあと3ヶ月。1/4の時間を充実させ来年につながる結果を残したい。そんな気持ちにさせてくれる特集号である。

 

2週間ぶりのロードバイク。同じマンションの方に大垂水峠ルートをお聞きしチャレンジ。高尾から20号に入り大垂水峠を抜け相模湖、藤野に抜けるコース。100㌔には満たないが峠ということもあり心してかかった。

高尾のコンビニにて栄養補給と水を買いいざ峠へ。JR高尾、京王線高尾山口を超えると徐々に斜度がきつくなる。いくつかの橋を渡りながら進むがそのつど勾配が上がるようにも感じる。この日手にしている地図は陣馬・高尾の登山用地図。大垂水峠までトレランで山道を走いっていることから厳しいことは覚悟をしていた。

経験不足の私はダウンヒルと言えば道志川程度。その楽しさに惹かれトレーニングの意味も含めて走った。厳しい登りではあるが高度を稼ぐと、熱い体をひんやりとした風が冷やしてくれる。
1時間も走ったのか峠の山頂に到着。山頂からは一気に下り。細いスリックタイヤとホイルで振動を受け良くこの安定感が保てるものだと感心する。距離を稼ぐつど加速し50㌔をすぐに超えてしまう。適度に速度を落とす技術が求められる。

このあたりのひと月もせずに葉が色づく。怖さと快楽が交互に襲ってくる。技術をあげこれかも楽しんでいきたい。

 

気持ちの整理  斎藤茂太

On 2011年10月6日, in 経営者, by admin

気持ちの整理―不思議なくらい前向きになる94のヒント (知的生きかた文庫)

これまでもいろいろなことがあった。そのつど因果を考え内省してきた。でも同じ失敗を繰り返す。時おり不安の渦に巻き込まれ気分がどんよりしてくる。本書はそんな気分から脱出する方法が94の短篇でまとめられている。

モチベーションを自分なりにコントロールすることは大切だと思う。“ストレスは弱者の戯言”だと自分に言い聞かせていた。いくら言い聞かしても治らないときがある。それがふとしたきっかけで治る。家族や友人との会話、映画、スポーツなどそのときによるのだがすっと心が軽くなる。会話や映画は気分を変えてくれるとともに何か気づきを与えてくれる。ずっと頭から離れなかった“コト”を剥離し、すこし離れた場所から見なおすと意外と処方箋が描けたりする。これをより具体的にしたのが本書94の短篇なのだ。

本書“はじめに”は次のように94の短篇を紹介している。
『…闘えば闘うほど吸い込まれて逃げられなくなるような、手に負えないものにも見える。とても「足取り軽く」といった心境にはなれないだろう。そういう人は、まず自分の心を、そっと覗いてみてほしい。そして、そんな悩み、迷い、くよくよ…はどこからくるのだろうか?と興味を持って手探りをしてほしい。気持ちをほぐして、ひとつひとつたぐり寄せてみたら、そこに意外な「何か」が発見できるだろう。「犯人はこいつか」とわかれば、憑き物も落ちるはずだ。もちろんそのヒントは本書のなかにもある』

“気分を変える方法”を知っているかどうかではずいぶん違う。正体不明のうずから簡単に脱出できる。マイオリジナルな心の整理法はすべての人が持つべき知識に違いない。

ただひとつ違うのは具体的問題があれば、それを解決しない限り根治にはならない。気分を落ち込ませずに“根治の処方箋”を描き行動するこれいがいにない。これと気分転換を混同すると悩みはより深くなるのだ。

すこしでも自分が向上するようこれからも色々と考えて行きたい。

 

2時間で学ぶ原発・電力の大問題 (角川oneテーマ21)

これを読んでから新聞を読めば問題意識がより深まったように思う。東電における問題、原発の技術、電力問題などをわかりやすく解説する。しかしすこしでもかじった人には物足りないであろうことが弱点かも知れない。

 震災から半年が経過し、節電もなくなると被災地域と繋がりがない人は少しずつ忘却していく。これもしかたが無いことだとは思う。しかし“電力問題”はこの国でこれから暮らすすべての人に関わる問題である。国内電力料金が高いことはずいぶん前から言われていた。これに環境問題が加わり震災以前、原発は推進傾向にあった。以前鳩山元総理が温暖化ガス25%カットなる発言をした。これをクリアするがために原子力寄与度を50%までUPする計画があったように記憶する。こうなると原子力推進が困難という一般的意見だろう。
 しかし震災後の選挙では敦賀市長選挙、柏崎市議選と原発推進派勝っている。これが地方経済の実態とも言える。電力会社の行う公共事業に頼らざるえない市民生活の現実がここにある。

企業の側面を見ると、“ 税、雇用、円高、環境、FTA、電力”と“日本企業六重苦”にあり、海外移転判断やむ無しと言われている。これに高齢化や小規模マーケット、規制、英語など国際競争におけるネガティブ要因には事欠かない。大手企業にとっても電気代値上げ問題かもしれないがこれは国内事業にも大きな影響を示すだろう。特に流通や飲食店などコストに占める割合が大きい企業は対応に苦慮することと思われる。 

 市民生活、企業ともに電力の影響度はこの上なく高い。原発に問題があることは十分に理解できる。本書の知識を下支えに俯瞰して考察することが重要だと思う。