2時間で学ぶ原発・電力の大問題 (角川oneテーマ21)

これを読んでから新聞を読めば問題意識がより深まったように思う。東電における問題、原発の技術、電力問題などをわかりやすく解説する。しかしすこしでもかじった人には物足りないであろうことが弱点かも知れない。

 震災から半年が経過し、節電もなくなると被災地域と繋がりがない人は少しずつ忘却していく。これもしかたが無いことだとは思う。しかし“電力問題”はこの国でこれから暮らすすべての人に関わる問題である。国内電力料金が高いことはずいぶん前から言われていた。これに環境問題が加わり震災以前、原発は推進傾向にあった。以前鳩山元総理が温暖化ガス25%カットなる発言をした。これをクリアするがために原子力寄与度を50%までUPする計画があったように記憶する。こうなると原子力推進が困難という一般的意見だろう。
 しかし震災後の選挙では敦賀市長選挙、柏崎市議選と原発推進派勝っている。これが地方経済の実態とも言える。電力会社の行う公共事業に頼らざるえない市民生活の現実がここにある。

企業の側面を見ると、“ 税、雇用、円高、環境、FTA、電力”と“日本企業六重苦”にあり、海外移転判断やむ無しと言われている。これに高齢化や小規模マーケット、規制、英語など国際競争におけるネガティブ要因には事欠かない。大手企業にとっても電気代値上げ問題かもしれないがこれは国内事業にも大きな影響を示すだろう。特に流通や飲食店などコストに占める割合が大きい企業は対応に苦慮することと思われる。 

 市民生活、企業ともに電力の影響度はこの上なく高い。原発に問題があることは十分に理解できる。本書の知識を下支えに俯瞰して考察することが重要だと思う。

 

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