本書はコンサルタントだけでなくリーダーが今日から実践できる。
言葉の大切さを日頃感じ無い日はない。相手の状況や立場を重んじる。何かあったのかなと感じる洞察力とそれを気づかう力。これはリーダーだけでなくすべての人にとり大切なことなのだと思っている。自分を分って欲しいと思う心をほんの少しだけ出さないだけで、相手のことが理解できるのではないかと思う。「ひと言力」に加え“傾聴力”を身につけることも大切だと思う。
本書もこうしたことを前提に論じている。冗長的な話はいつのまにか本来の目的を脱してしまうことが多い。結局何が言いたいのかなと思うこともある。著者はこうした話し方を含め次のように述べている。
「人に話す前に、自分の中で明確な結論を出すこと、これが“ひと言に凝縮して伝える力=凝縮力”の基本である。本人でさえ考えが明晰になっていないのに、他社を納得させることなどできるわけがないからだ。
頭の中に、ある問題の原因や解決策が浮かんできた時に、「つまりどういうことなのだろう」と考えることで、余分な言葉をどんどん削っていく。そして最終的には問題の原因や解決策を、ワンセンテンスで言い表せるところまで凝縮させていく。するとその言葉は贅肉が削ぎ落とされているので、本質を突いた表現となる」
これがコンサルタントとの“ひと言力”だと著者は述べている。実はこれ結構難しい。理解を得ようとするあまり冗長的になるときすらある。そういう時は得てして失敗するのだが。電車などで見かけるがこの症状は酒が入る一層悪化する。最近はひと言で言えるとよいのだが、そうでないときは3つに凝縮することにしている。すこしでも飽きさせない、相手を引きつけることができるのかなと思う。企業内などだと背景が一緒でよいのだが相互の環境が違うと中々理解をえるのは難しい。相手の立場で話すことこれが対話の条件なのだろう。
本書では著者がよく使う「ひと言」を含め数多くの言葉が紹介されている。頭の隅にこの言葉があるだけで価値ある対話が楽しめそうである。