孫正義秘録 大下英治

On 2015年5月6日, in 経営者, by admin

著者がどう孫正義を描写するかに興味を持ち購入。著者の人物描写にこれまでどれほど入れこんだかわからない。政治への関心が高まったのも著者によるものだ。
 これまで孫正義を論じた著作は多い。私自身すでに10冊以上を読んでいる。何故か!まぎれもなく孫正義フアンの一人なのだ。孫正義の息づかいが聞こえるような描写をもとに、起業から今日までを3つにわけ捉えてみる。ひとつ目は、起業直後の過激な投資と成功そして大病、2つ目がM&AとSBI北尾氏との出会い、最後が世界戦略 この3つの時期に感じられた印象をまとめてみる。

 ひとつ目のキーワードは熱さだ。
 約1年間“何の事業を起こすか”を考え続けることだ。自分が生涯かけられること何か、どのように環境が変化をしても勝てることは何か、利益が上がることはなにか。全部で25項目にも及んだという。
 起業を考える人と接することがあるが、こうした角度から考察を重ねる人を見かけることはない。自分自身もそうだ。本書には記載がないが“熱中できること”という項目があるのではないか。この時期に限らないが本書を通じて触れると火がつくような熱さを感じる。これまでの経験だが、勢いがある経営者は総じて熱い。自ら発火しているのではないかと思わせることがある。
 決して熱さから思考は鈍らない。著者はIT,金融と孫正義は教示したそれぞれがプロレベルと評したことを述べている。なぜそうなれるのか。徹底した論理思考plus感性だと思うを求める。これも熱さと集中がなせる技か。

 2つ目は意思決定だ。
 ものすごく色々なことをしているが、M&Aを取り上げてみる。成功のM&Aは数多く書かれているが、この起業、実は撤退している事業も数多い。古くはテレビ朝日や衛生放送、またナスダック、あおぞら銀行などがある。リスクマネージメントの詳細はわからない。株式投資は、高値買いと損切りでは損切りの決断のほうが難しい。 “撤退”の意思決定を幾度も繰返している。この意思決定過程が描写されないのは実に残念だが、ソフトバンク成功の要因に撤退の成功があるのでないか。探求すれば浮かび上がるものがあるように感じる。

 最後に産婆システムと世界戦略である。ここにはyahoo投資の成功モデル同様、アリババの成功がある。中国に限らず中華圏マーケットが今後一定の広がりを見せることは間違いない。計り知れない成長の産婆投資をしているように思える。

 本書を通じて何が得られたか。“熱く生きなければならない”成功は熱中の後に生まれる。まずは目の前に仕事に熱中する。更に論理的に考えること。可能な限り数値に置き換え考察を重ねる。構成主義の要素を掘り下げ数値かを試みたい。最後に大きな目標を持つ。これに尽きる。

本書に出会えたことに感謝!

 

 

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