逆境を生き抜く名経営者、先哲の箴言  北尾吉孝

逆境を生き抜く名経営者、先哲の箴言 (朝日新書)

まえがきによれば、高校生の頃から経営者の箴言を読み解いてきたと述べられています。箴言を広辞苑で紐解けば“いましめとなる短い句”とあります。箴言が思考に染みこませ、行動を伴わせるには、素直さと相応の素地が必要だと思います。これを高校生に至るまでの鍛えたことは事態すでに人並みでではなく、箴言を語る側なのだと感じています。志高く信念を持って行動する。苦しい時、迷ったとき、身体に染み込んだ箴言が脳裏から湧き出ずるのでしょう。

成功を望むのなら、吸収可能な素地を鍛えることが条件だと思います。「吸収可能な素地」とは「信 義 仁」であり日々目的に向かい継続的に取組む心だと捉えています。それと同時に“素直な心”が必要なのではないでしょうか。箴言を残せる人物の回りには「類は友を呼ぶ」人々が「信 義 仁」を軸に間柄が成立しているように見えます。日経「交遊抄」などはその顕著な表れではないでしょうか。人の成長に最も大切な人間関係とはこれらの総和なのでしょう。著者は成功者についてこのように述べています。

「仏教に「多逢聖因」という言葉がある。良い人と出会っていると、いつしか良い結果を招き、その良い縁がされに良い縁を尋ねて発展していくという意味である。成功者の人生とはまさにこの言葉とおりで、よい人物を友に持つことで、困ったときにその友人が助けてくれる。そう考えると、運のよさ、たまたま、偶然、といった言葉で表現されることは、言い換えれば、何よりもまずその本人にひとかたならぬ魅力があるということなのだ」

“自己を磨く”ことが第一義であると読み解けます。いま、自分の置かれている環境を踏まえ、日々の仕事を通じて自己を研鑽する。これが成功の根源であり、「信義仁」と素直が根源をなすと思っています。この本質がすべての軸にあると感じます。数多くの名経営者の箴言は琴線を揺るがすことと思います。時として本書を手にすることをお勧めします。

 

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