COURRIER  JAPON   2012/5

On 2012年4月16日, in life Style, by admin

COURRIER  JAPON   2012/5


COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 05月号 [雑誌]

今月号のテーマは【日本の『明日』の話をしよう】とある。国を単独の存在で捉えることはできない。日本はG20を軸として世界中の国と深く関連することではじめて存在が可能となる。人や資本が日本“地域”に入り日本国の文脈を通じて排出される。国はコンテクストになったと言ってもよいのではないかと思う。より優れたコンテクストや文化が国家としての強みになるのだろうと思う。こうした視点のもとで本誌を拝読した。

瀧本哲史・京都大学客員准教授は“地域性”というキーワードについて次のようにのべている。「米国と一言でいってもそこに均一な経済圏があるわけではなく“米国・ウオールストリート州や米国シリコンバレー州といったものが、都市国家のような形で存在すると考えたほうが理解しやすい….日本も従来のような「日本国」単位では元気がなくなってきているけれども「日本国・東京州」というレベルでは経済・文化、人口集積度やインフラの充実度といったさまざまな視点から見て、依然として非常に魅力的な都市国家であり続けるでしょう…一方地方はどうすればいいのか?まずは「第二の地方」を目指すというスタイルはやめること。むしろ東京に追いつこうとするよりもアジアの他の都市をライバルにする…」

瀧本氏のこうした主張は“均一”からの転換にとなる。賛否は別にしても隣接する中国、台湾、他の東アジア圏との交流において地理的な利を活かすことは大切なことだろう。物造り国家を主張する識者は多く、雇用面ではこれに変わる産業はいまだ見いだせてはいない。

本誌によれば、アップルは米国で4万5千人、他国で2万人の直接の雇用を抱えている。だが海外では70万人の労働者が設計、製造に携わっている。これはアップルは米国内における雇用貢献度が低いことを表す。果たしてこれは突出したできごとなのだろうか。最高の製品を創るために“最適な環境を選択”する。企業経営として的を得た答えだ。グローバルマーケット産業は、現地生産と最適環境の選択となるのではないかと思う。UNIQLOなどがこのケースに当てはまる。

こうしたグローバルマーケットの中で日本はどのように生き残るか。加藤嘉一・北京大研究員は「日本発の駅伝が“Ekiden”という国際語のもなっているのは、日本の共感力の勝利です。….背中をポーンと叩いて送り出す。これがまさに共感力ある結束力。「つなぐ」「結ぶ」「携える」というのだが日本文化なんです」と述べる。

この文化感は貴重であり礎でもある。だがこれを磨くことでイノベーションが起こせるとは思えない。HONDAのワイガヤとは違った、少ない主張で、場の空気による理解を得ようとする傾向を感じる。文化感や価値観の共有をもとにもっと主張しぶつかり合うことが必要なのではないかと思う。

考察をするうえ手放せない雑誌である。いまイチオシの雑誌であることに間違いない。

 

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