会計の基本  岩谷 誠治

On 2011年12月2日, in 経営者, by admin

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会計・財務・管理会計を見直す流れで拝読した一冊。

どちらかと言えば後ろ向き、会計知識の不足問題を先延ばししてきた。気持ちを一新しこの先月読み込んだ結果、会計関係の本が並び一つのコーナができた。適度に読み込みきちんとした知識を付けたいと思う。日々の実践でいえば管理会計や予算管理がマネジメントをする人が必要とする会計知識だと思う。しかしたとえざっくりでも全体の流れを知らなければと思い本書を手にした。“はじめての経理”という本を読んだが経理担当者ベースの解説なのでもう少し奥深いところを知ることが目的だ。

経営戦略を立てるには【現状認知】が重要となる。これをあいまいにしないでしっかりと認識することがスタートラインに立つことだ。そこで経理が必要となる。草創期の企業であればネガティブ要素は少ない。ランニングコストが低いということだ。しかし数年も立つといつのまにかランニングコスト・固定費がかさんでいることが良くある。これを認識するのに精緻な経理業務が必要となる。ここを認識不足のままに経営戦略を立てるとあまり上手く行くことはない。小規模な企業であれば代表者自ら作業をすることが良いと思う。結構意識改革になるのである。

 本書は会計の位置づけを【羅針盤】だと言う。
 『ビジネスという不定型な業務を記録するする方法は、会計しかありません。金額という統一した単位で記録すれば、異なる業務を比較することが可能になり、企業の状態をつかむことができます。それは、ちょうど、船舶における羅針盤と同じ働きをします。羅針盤がどれだけ正確であっても、船の速度が増すわけではありません。しかし羅針盤が狂っていたならば、めざすべき港には永遠にたどりつかないでしょう』

 確かにその通りだ。また“速度を増す・加速したい”という経営者の気持ちを汲み取ってくれている。本書は羅針盤の重要性を説くと同時に会計全般の知識のさわりをわかりやすく説明してくれる。一度目を通すと会計士と話すときにも良いのではと思う。

 創業後3年で約50%の企業が倒産する。この理由には経営者の『加速願望』があるのかも知れない。ゆっくりでも良いから地盤を固めながら成長することが大切なのだろうと思う。それでも加速願望が消えることはないのだから。

 

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