戦略脳を高める  平井孝志

On 2011年11月21日, in 経営戦略, by admin

戦略力を高める ―最高の戦略を実現するために

近々に著者を囲んでの読書会に参加をする予定がある。そのために読んだのだがとても勉強になった。経営戦略の重要性が言われて久しい。経営戦略・マーケティング・アカウンティングなど経営に携わる実践と学問は多々ある。スタンダード研究をいちどはノートを手に学ぶ必要があると思う。本書はそのような研究を踏まえ実践的に述べられて一冊である。

ミンツバーグ・マイケル・ポーターを始め数多くの賢人が経営戦略について論じている。実際どれもすばらしい理論だ。コンサルティング会社まで導入し戦略を立案している企業もある。導入後の継続性や方針の転換など難しい一面もある。中小企業の文脈に置き換えると『導入者は変わらない』のである。そう考えると“継続性”は何ら問題がない。しかし継続は難しい面がある。当社でもそうだ。その理由は『精緻性の欠如』にあると思う。もうひとつは“導入理由”があいまいなのではないかと感じている。本書は戦略の必要要素を次のように述べている。

『本来、戦略には、明確なあるべき姿やそれをめざす理由、そこに至るための道筋、達成するための資源配分のありかたなど、「What」と「How」と「Why」そして「Who」が埋め込まれていなければならない』

このように述べている。振り返ればどこか中途半端で精緻性が欠けていた。戦略を理想と現実を埋める「海図」であると著者は述べる。海であれば波風の環境は日々変わり海図とナビの重要性は高い。船舶の大きさを企業規模と捉えれば環境の変化による受ける影響度の違いも捉えやすい。しかし精緻性が高い海図を書くこと、環境の変化を捉えるデータを入手できればポジティブなスパイラルを描くことは可能なのだ。

本書は多様な経営戦略を実践的に集約している。本書を手にじっくりと戦略を構築することをお勧めしたい。

 

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