頭の回転が速くなるすごい!法 (知的生きかた文庫)

実はこの手の本はあまり読まない。“◯◯を絶対に成功させる方法”などケースが違えばまず難しいからだ。鳥の目で書かれていないことが多い。だが“エンジンパワー”をアップさせたい人すべてにお勧めしたい。著者の履歴が履歴も工学博士であり能力開発を理論立て教えてくれる。

副題を付けるなら【仕事頭を良くする方法】だと思う。“求められる結果”を得るにはまずは心だと思う。著者は気力の大切さを説きながら「いったんやると決めたら、最後までやり抜く気力が必要です。そしてやり抜く気力は実際にやる抜くことでしから養われません。もちろん、その気力は単なる蛮勇によるものでなく、志を立て、目標を定め日々全力で取組むことで、自らの内面から生み出されるものでなければなりません」と述べている。
基本的にはこんなことがスタートラインではないかと感じている。

こうした“心構え”のうえで頭の回転が早くなる3要素を「リラックス・集中力・記憶力」だと述べている。この3つは問題を発見・想起・解決する能力に結びつく。それぞれの職種やステージで求められる能力は多少ちがえでも基本的な力であることに間違いない。そのパワーが付けられるならなんと素晴らしい話ではないだろうか。

著者はこれまで存じ上げなかったのだが工学博士の理系人だけありロジカルに本書は進んでいく。たとえば記憶力アップ法では反復、リラックス、理解が重要であると述べ、理解については次のように説いている。

理解    : 記憶は短期記憶 長期記憶 に分類され長期記憶ではエピソード記憶、意味記憶、手続き記憶に分類される。成功は意味記憶(受験など)として知識としてどれだけ大量に、かつ性格に記憶できるかにかかっている。覚えやすくするコツは第一に覚えようとする知識についてきちんと理解することです。きちんと理解するとはそれがイメージできるということ。 イメージが徹底すると、覚えるのが容易になる。きちんと理解すれば、その知識と関連する知識や、類似概念との関係がつかめます。だから思い出そうとするとき、思い出すきっかけがたくさんあって想起しやすくなるのです。

社会人の学びは“大まか”なケースが多いのではないかと思う。情報は日々刻々と変化しその量は膨大である。発信される情報の大体は周辺知識であるのだが記憶に留めたい情報も数多い。ここで求められるのは“本質を見抜く力”だ。【質の高い理解】を求める著者の意向と通じそれは“リベラルアーツ”によると考察する。
この考察は仮設というより定説だろう。求めるビジネスと起点・原点との乖離は不足する“リベラルアーツ”によるところが多いと感じられる。ビジネスの表層知識を支える基礎力であるリベラルアーツの再構築がビジネス力に直結するということだ。その過程で得る理解力の高まりが記憶力という基礎力アップにつながるとも考えられる。

 こんなふうに本書から学びを得ることができた。本書は手軽な文庫本で読みやすい。高見を見たい方すべてにお勧めしたい。ここで得た知見を実践するのが本来の本書の目的でもある。

 

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