プロローグに『奴隷の人生』とある。『他人または社会の価値観に基づいて理想を追求しそれに沿ってつくりあげた人生』がその意図だ。本書はこうした人生から如何に脱却し自己の価値観で生きる手法が述べられている。著者は宗教、脳、自己管理などの一人者である。そんな著者の言葉だから納得を得ることができる。
『奴隷の人生』は価値観などでなくとも最も身近にある。生きるためとし会社奴隷の人物もいる。会社と生きる喜びが一致しない人の方が多いのかも知れない。また家族の奴隷になっている人も少なくはないだろう。以前から『支配されている』という言葉でこの問題を考えてきた。例えば毎日の飲酒があった。習慣的に毎日飲む生活は夜という時間を支配される。活用できない朝時間も同じことだ。『金』もそうだろう。金銭欲の支配は発想が貧困となるのではと考えてきた。こうしたことを考えるのもミドルエイジクライシスと無縁ではないのだろう。
本書は新しい考えを述べているものではない。しかし改めて考える時間を与えてくれる。しかし再認識することで再構築を可能にすることは間違いない。
『不幸の原因はすべて自分にある』
『あなたは「いまの自分」を不幸だと感じていますか?もちろん「禍福はあざなえる縄の如し」で幸せなときもあれば、不幸なときもあるでしょう。どちらにしても、少しでも自分は不幸だと感じることがあるのなら、不幸だと思うその原因を突き止めて、自分を変えなくてはなりません。本書でめざすのは「常に、圧倒的に幸福でいられる自分」です。「なりたい自分」像は人それぞれであっても、この点だけは万人に共通の夢であるはず。まず「不幸はどこから来るのか」ということから考えてみましょう。といっても答えは簡単。不幸の裏にはすべて「自分の失敗」があります』
このように話しは進んでいく。そのうえでテクニックを教えてくれるのだ。“原因を突き止め改善する”多数の成功者が語っている言葉だ。これを失念しないことが最初の一歩のように思う。