遅咲き偉人伝  久恒啓一

On 2011年4月29日, in 書評, 雑感, by admin

遅咲き偉人伝―人生後半に輝いた日本人

日本の平均寿命は82.3歳(2005)である。世界的に見ても長寿国であることは間違いない。ちなみにロシア人男性は60歳を下回る(2005)。ロシアには年金問題が発生しそうにないかわりに“遅咲き偉人”も見つかりそうにない。

著者はライフワークとして「人物記念館の旅」を続けているとのことである。本書はそこで出会った偉人について論じた一冊となる。“人の偉大さは人に与える影響力の総量で決まる”と結びつけている。経営者で言えば“京セラ稲森名誉会長”などがあげられるのかも知れない。

本書はここで19人の偉人について紹介をしている。その切り口は“遅咲き”である。遅咲き偉人に対する著者の見方を引用して紹介したい。

「遅咲きの人には長く仕事をしている人が多い。世に出るまでの修行の時間が長く、その間にじっくりと自身の力で成熟しているから、遅咲きの人は長持ちしている。したがって影響力の総量において、実は早咲きの人に比べると圧倒的に勝っているということになる。そして彼が生きた時代を超えて、今日に至るまでその影響が及ぶということになると、その総量はとてつもなく大きくなり、偉人と呼ばれるようになっていく」

 当然のことながら遅いから良いのではない。修行を積上げ、熟成する期間を保つことが重要なのである。経営者には“強さ”が必要である。胆力とも言える。いつのまにか自分を含め“胆力”のある人が少なってきたように感じる。これは経営者だけではない。政治家にも共通したことではなだろうか。すさまじい戦中戦後を経験した政治家はなにか代えがたいものを感じた。しかしいまそれを感じることはまずない。これは生きることが修行であったと言えるからなのかもしれない。

“命がけの修行と成功経験”これが偉人となるキワードのようにも感じる。本書から19人偉人の生き方を学んだ。これからの人生の参考としたい。機会を見て一人ずつ紹介したい。

 

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