中小企業経営の実践は経営戦略、マーケティング、組織など各理論を分離して考察すべきでないと考えている。これらのバランスを取りながら企業成長を考えなければならない。当然のことながら資金というリソースもこの背景にある。しかしこうした理論のもとで実践プランを構築しなければそれこそ穴のあいたバケツのごとく資金が漏れていくのである。

コア・コンピタンス

 ビジネスプランが重要であることは言うまでもない。しかし概ねのビジネスプランは類推しているのが現実である。また後発企業が真似ることも十分に可能である。そこで重要となるのがコア・コンピタンスである。G・ハメルとC・K・プラハッドは「顧客に対して他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」であると述べている。いわゆる企業内部に培った能力を競争のための資源であるとする考え方であり、リソース・ベースと・ビュー(資源に基づく戦略の見方)と呼ばれるものだ。

 他社が真似できるのは“カタチ”だけである。ソフトを真似ることはできない。これは経営者や社員が持つ“暗黙知”である。SECIモデル言う共同化が自社の強みになるのである。ということは経営者や中核社員がKFSとなる。企業のコア・コンピタンスは“ヒト”だということである。要するに“知識”がコア・コンピタンスなのである。2005年に亡くなったピーター・ドラッカーは40年以上前に「知識は新たな世界経済を形成する主な資源で、この生産性が経済活動の要になるだろう。また知識は最も大事な生産資源である」という言葉を残している。

 知識資産=コア・コンピタンスの形成が事業成長のKFSなのである。

 

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