スモールビジネス・マーケティング―小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

小規模企業のマーケティングにはお勧めの一冊だ。コトラーを始めとしたマーケティン
グの学術書は数多い。それを元にしたビジネス書は所狭と書店に並んでいる。それはアルファベットを3つ程並べた米国発のマーケティングが軸になっていることが多い。

アメリカ人と日本人は価値観の違う消費者

以前マーケティングが専門の教授に「翻訳本は米国の考え方であって、そのまま価値観の違う日本人に取入るは如何なものか」という質問をしたことがある。確かブランディングの件だったように思う。研究価値があるからと論文を進められた覚えがある。こうしたことはマーケティングに限らない。戦略論、組織論も同様である。企業規模や時代環境によっても大きく違う。一例を上げれば来年の東北地方のマーケティングは大きく変わるだろう。こうしことから“自社の文脈”また“自社のリソース”に如何に落とすかが重要なのである。付け加えれば環境も忘れてはならない。

本書の特徴

本書は博士課程後期の教授に謝辞が述べられている。こうしたことから論文を一般読者ように書きなおしたものだと思う。よってリサーチなどの裏付けがしっかりと取られている。リサーチ結果はグラフや図解で示されている。実際この手の参考文献はいまでも探しているのだが中々見つからない。

内容は小規模企業の強みを仮説としてその検証を行っている。小売店を中心とした仮説検証であるが“企業の文脈”に置換することは十分可能である。

小規模企業でマーケティングに携わる方には価値ある一冊だと思う。

 

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