彼らが日本を滅ぼす

本書は2011年1月初版である。東日本大震災の2ヶ月以上前の書であるが民主党政権の危機管理に対する危うさが記されている。しかし自民党内閣にゆり戻されることで安定するなどという結論ではない。
本書が懸念する事柄として“尖閣問題”があげられる。近海ではこの非常時においても中国艦隊が見受けられる。またロシアも同様の行為をしている。こうした背景について本書は次のように述べている。

【2010年5月、鳩山由紀夫首相(当時)は、全国知事会議の席上で石原慎太郎都知事から追求され、「領有権については中国と協議」「五条の適用については米に聞いてみる」と重大失言をし、中国側に間違ったメッセージを送っていた】

領有権を協議するなど論外である。先般も民主党(現在は離党)衆議院議員が竹島領有権を主張するのは誤りであると署名をしてきている。さらに当時仙石官房長官は自衛隊を“暴力装置”と言い放ち参議院で不信任が決議されている。こうした問題に対してクリントン国務長官から“日米安保条約第五条は尖閣問題にも適用される”と確約を得る
功績を果たした外務大臣は数万円の献金問題で辞任に追い込まれている。更には、尖閣問題で“暴力装置”発言をした仙石代表代行が官房副長官として内閣入をした。暴力装置呼ばわりをしたリーダーが入る内閣で働くことはさぞかしつらいと思う。国内では船頭多くしてどうするという野党側の声はまったく聞こえないらしい。

本書では“滅ぼす彼ら”とされた数人に対し強烈なメッセージが送られている。政治システムの問題かも知れない。しかしシステムを変えることは極めて難しく時間を要する。現行の中でこの危機を乗り越えるしか無い。またひとつの言霊が人を救うことも多い。自らの政党より明日の日本を考えて欲しいと思う。

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>