見出しは「国債暴落を回避せよ」とある。センセーショナルな見出しではある。しかしこの問題から逃げることはできない。国債の弁済義務は国会議員でなく我々日本人であるのだから。
010年の政府債務残高は908兆円による。11年度赤字国債が40兆とすると約950兆となる。実際に国債を完済した国家など近年ではまずない。しかしここまで膨れあげると明らかな債務超過である。今回の震災によりGDPが更に下がり税収も減る。当然の事ながら相当の復興費用も要するのでバランスシートは更に悪化する。本誌によるとXデーは2014年だと予測されている。これはあくまで間接的に購入している家計純金融資産との関係からの推測である。直接購入している金融機関の与信度を考慮すると早まることが考えられる。
この処方箋を政治家が描けるのだろうか。処方箋は相当苦い薬となる。その薬の効用を債務者である国民に説明することができるのだろうか。 韓国は通貨危機でIMFが関与した国家である。危機を乗り越えるために家庭から金が集められていた(寄付かもしれない)。
こうしたことは徴兵制がある韓国だから成り立つのかも知れない。しかしそれでもサムスンの相当の配当はいまだ米国に流れている。当然のことながら徴兵制も是非を問うものではない。自由ななかで生きてきた我々が“一丸となる・思いを一つにする”こうしたことがどこまで可能かということだ。
いま我々は“東北復興”へ一丸とならなければならない。これが試金石となるのではないか。一橋大学経済研究所准教授 小黒氏は「財政破綻確立は震災により倍増した」と述べている。国という入れ物は相当の傷を負っている。これまで傷の痛みを国債発行により緩和させてきた。しかし歳費も政党助成金も何一つ減額することができない。民間は乾いた雑巾を絞る。このバランス感覚の無さで処方箋など書けるはずはない。実際には、学者や官僚から上がってきたものを判断することができないということだ。
自分なりの考えを創っていきたいと思う。