キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

共感する一冊。

マーケティングプランを考える必要に迫れて数冊本を購入した。確か最近日経か産経の推薦図書にも上げられていたように思う。マーケティングプランにweb戦略は欠かせない。しかしweb知識はフルスピードで変化する。そんなことから日頃は俯瞰して概観することにしている。ただSNSのような道具Plus概念的変化には利用者的な視点も欠かせない。本書はその両面を多様な角度から“変化”を論じてくれている。

【….幸福な生のためには物と違う原理が必要であることに、われわれはいまようやく気がつきだしている。いやむしろ物のとらわれる、購買、所有、消費、廃棄のリサイクルにとらわれている限り内面的な充実は得られないことに気づきだしている。….真のゆたかさ、つまり内面の充実のためには、所有の限定、無所有の自由を見直す必要があると感じている。人が幸福に生きるためには一体何が必要で、何が必要でないかと、大原則に戻って考え直そうしている人が大勢出てきている】

これが消費から【コト】への変化であり、モノから何かをする【コト】への変化だと著者は述べている。これは国内に限ったことではない。EUには旧来からこうした傾向を感じる。ブランド企業の日本撤退もこうしたことの現れのように感じられる。ブルガリの仏LVMHへの売却はこのひとつの現れかもしれない。
対照的なのは旅行者数である。内外旅行者数のマーケットを見ると失業率などネガティブ要因があるにも関わらず高止まりしている。これもコト、物語への関心の強さ現れかもしれない。 “内需と消費”が景気対策の主軸のひとつにあげられているがどうやらヒトの感情や動きと乖離があるように感じてならない。

こうしたなかで我々はどう考え行動をとったら良いか。いくら熟慮してもフルスピードで変化することは間違いない。この問への答えを本書は随所に散りばめているのだ。

解の一つが “情報を求める人が存在する場所”を“ビオートプ”(生息空間)である。biotope とは有機的に結びついた、いくつかの種の生物で構成された生物群の生息空間」だそうである。お気づきの通りまさにSNSなのだ。ビフォーゲイツであれば学校やカルチャーセンターのような所で同様の価値観を有する集まりが発生した。社会であれば企業という枠のなかで組織文化が発生した。SNSは緩やかではるが同様の文化感を有するものの集まりであると言える。さらにデジタル社会は集合へのハードルが低くとても入りやすくなっている。

ネガティブ要素が何も無いようにも思えるのだが実際はそうではない。本書を元に次へ続けたい。

 

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