経営戦略論 3

On 2010年11月16日, in 経営戦略, by admin

経営戦略 3

経営戦略をするには(1) 経営理念 (2)ドメインの決定  (3) コア・コンピタンスの選択と育成 (4) リーダーシップが求められる。

経営理念

経営戦略を構築するにあたって経営理念やビジョンを明確にすることが大切であること前回述べた。

理念、ビジョンの役割を再確認すると次のようになる。

① 企業の構成員の意欲をかきたてる夢として機能させること
② 企業構成員の行動規範を創ること
③ 事業における成功の鍵を明らかにする

要するに【人を動かす】ために明確にしなければならないのである。
明らかにした【理念・ビジョン】は組織に浸透させなければならない。また環境の変化に伴い再定義の必要性もある。

ドメインの決定

ドメインを決定する際には、顧客軸、技術軸、機能軸で定義することが必要である。顧客軸とは市場軸を指す。また技術軸とは製品軸である。
自社の商品が○○でるから∴(ゆえに)に△マーケットで事業展開を行うのはドメイン設定としては役不足である。無論これらの軸も重要ではあるが、ドメインの設定には『顧客に対しどのような機能を有しているか』の機能軸が重要である。これは差別化などにも大いに影響がある。

コア・コンピタンスの選択と育成

コア・コンピタンスの概念 
 顧客に対し他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する企業の中核的な力 
G ・ハメル C・Kプラハット

コア・コンピタンスを軸にした戦略論はRBV(Rsource-Based View)となる。企業内部に培った能力を競争のために資源であるとする考え方である。企業内部の経営資源と生産設備、不動産等の有形資産、ブランドネームや特許などの無形資産、顧客対応等の組織ケイパピリティ(能力)を指す。
リーダーシップ

リーダーの役割は大きく次の3点と言える。

① 自社の経営資源、能力、戦略的地位、組織の体制などを展開して企業を成功に導くような夢のあるビジョンを提示する。
② 現実に立脚し、実現可能であることを検証し、明示する。
③ 方向性が組織の中で受け入れられ実現されるように働きかける

ここで求められるのは管理型ではない。従来見えていなかった進路を明らかにして指し示すリーダーである。優れた経営者であっても、得意領域がある。要はこれらの役割をマネジメントチーム全体としていくことである。つまり理論を学ぶことの意味は、自分の見逃しがちな領域、苦手な領域を知り、それが得な人を見つけ、必要に応じて任せていくことにある。

【マイクロビジネスの視点から】

本書には『単一事業はシナリを組み実行するのみなので容易である』と冒頭に述べられている。決してそのようなことはない。そうであれば3年で50%の企業が倒産に至ることはない。現実はリソースが少なく、 経営理念 ドメインの決定 コア・コンピタンスの選択と育成 リーダーシップと言った事柄をMBの文脈に落とすことが困難なのが現実である。これらが成功のシナリオであると仮定した場合、成功要素を積み上げてから起業すべきであるとの結論に結びつく。コンサルタントによっては経営が厳しくなる主たる要因は準備不足にあると述べる方もいる。

『….容易である』には反論はあるが、これは一考する必要があると思う。特にRBVの概念である<他社に真似できない価値>があれば必要とされるのである。ラーメン店などは年間25%が廃業し35%が新たに出店される。しかし確実に残る店舗はあるのだ。生き残りの最も重要な点は『商品』である。ここでのRBVは『味』ということになる。その上で適正な粗利が得られるということになる。

この準備ができず起業した場合が極めて危険なのだ。例えば<仕入れが安い>などまったく強みにならない。PPMが移動すればその段階で価値はて低減するのである。リサーチを丹念に行い自社(経営者)の価値を高めることが重要なのだ。これは事業開始後も強みを発展させ続けなければならない。強みこそRBVではないか。

 

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