経営戦略 1 序章~

On 2010年11月8日, in 経営戦略, by admin

経営戦略論は、これまでにも多々読んでいるが基礎的なことを一度まとめたいと思う。当然のことながら極力小規模企業・マイクロビジネスの文脈に落としながら考察を重ねたいと考えている。過日書評でも述べた【MBA経営戦略・グロービス】をノートすることで順を追っていきたいと考えている。本書は、ボリュームは少ないが基礎は概ねカバーされていると思う。

序章 PP7~
戦略策定要件の理論

戦略の視点と本質
<戦略的意思決定の意義>

戦略的意思決定とは【企業が進むべき方向に関する意思決定】を指す。企業が成長するためには明確な方向性に基づき、どの分野へいかにして進むかを決めなればならない。また環境の変化や競合企業の動きに対して、自社が最も有利に成長できるような道筋を選ぶことが必要である。これは経営資源に限りがあるため【選択と集中】が肝となる。意思決定はマネジメントだけでなく、企業内部のすべてに徹底する必要がある。その徹底の度合が戦略の実現を左右し、競争に勝てるか否かに大きく影響する。経営戦略が競争戦略とも呼ばれるのは、競争を勝ち抜くための指針を与える『戦いの構想』という意味が含まれているからである。

<戦略の寿命と転換を迫る要因>

戦略の変化は環境に適応するための企業の変化ととらえることもできる。競争が複数企業の戦略のぶつかり合いである以上、与えられた環境に最も適応する解を求めることだけが戦略ではない。相手の取るポジションを予測して戦略を立てることも必要である。

<戦術との対比>

戦略と戦術の違いは相対的なものである。トップの立場からすれば戦術レベルであることでも、部門長の立場から見れば戦略にあたる、戦略レベルという言葉の意味は、置かれた立場によって決まるのである。

【マイクロビジネスの視点】

マイクロビジネスの場合【小回り】が利くことが大きな利点である。成長するには【蓄積】が必要となる。存続を左右する『資金・資本』の蓄積が重要であることは言うまでもない。これは金融機関からの評価が経営の実践に影響を及ぼすからである。こうしたことからも売上主義的な経営に走りやすい。こうした時に有効なのが【小回り】がきくことである。商材や事業形態の変更などである。

小回りであることから、利益を伴ったとしても短期な売上計上に過ぎない。ドメインとも言える【企業が進むべき方向に関する意思決定】とは程遠い。この現象は“負のスパイラルの入口”なのである。自社が得意なこと【コア・コンピタンス】の蓄積、経営資源の蓄積とはならないのである。

【処方箋】

<リソースの確認>
まず自社の現状を確認することが重要である

① 棚卸
 資産の棚卸も当然のことながら、“能力の棚卸”を行う必要がある。また会社全体、個別従業員の能力、経営者の能力それぞれの棚卸をしなければならない。

② 時間
 経営の実際ではここまで述べたことが感覚として掴んでいても“時間”の問題なしえないということがある。タイムマネジメントの観点からビジネスプロセスを分解することが必要である。さらに本来必要でない作業を捨てることも併せて行う必要がある。

③ エンパワーメント
 マイクロビジネスは全体に目が届きやすい。従業員の能力アップと時間の確保が可能になる。

①~③により会社の現状に【糊しろ】を持たせるのである。そのためには、まず能力と行動時間を把握し自社の方向性を明らかにするのである。期限は設けるが、十分な時間をかけて良い。空き時間に行うことから生産性には影響を及ぼさない。将来を決定する重要な時間である。但しリソースに限界があることからトレード・オフを十分に意識する必要がある。

 

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