MBA経営戦略 グロービス・マネジメント・インスティテュート(編)

MBA経営戦略

グロービスMBAシリーズは現在14冊発行されている。書棚を覗くと12冊程ある。足りないものは早速購入しようと思う。さて本書MBA経営戦略を最初に手にしたのは10年以上前になる。経営をロジカルに勉強し数年経過したころだったように思う。結果的に本を読込むだけでは雑学の積重ねに過ぎないとの考えから大学院、MBA取得へと結びついた。本書はこうしたきっかけを与えてくれた一冊に間違いない。先週レビューした『経営戦略』(有斐閣アルマ)をMBA的にケース中心に記したのが本書である。ケースを勉強したく再読した次第である。

マイクロビジネスはケースを活用することが難しい。その理由は規模の違いがあることはもちろんであるが“経営者個人能力”が大きな変数だからである。裏を返せば経営者個人の能力をあげることで経営をダイナミズムに変革することが可能なのである。そうすることでケースを自己の文脈に置換えることが可能になるのと私は捉えている。この作業はゴールがなくエンドレスに続けることとなるが、どんな職業でも変わりはないと思う。

大手企業で使われる理論をマイクロビジネスの文脈に置き換えて見たい。たとえば『アーカー・事業拡大マトリックス』(ダイヤモンド1986)などを本書ではキャノン、事業拡大の事例として取り上げている。事業拡大マトリックスは ① どこで戦うか ② 何を提供するか という方向性に加え『どのように事業をするか』=『Business System』についての理論である。具体的には、技術を拡張するのか、マーケットを深く追求するのかなどとなる。これなどマイクロビジネスでも十分に追及できる理論であり、日々実践していることに過ぎないのだ。
当社などの事例で考えれば、【電話代行業務】の拡張性とともにマイクロビジネス・コンサルティングを行うなどとなる。ドメインの拡張ではなく深耕となる。研究と経験がここでの強みとなる。

事業拡大などにおいて重要なのは“自社の強み”である。ニーズをつかみ他社がまねをすることができない技術によって競争力を維持する。ここの判断基準の厳しさがサスティナブルな発展の可否なのである。
実際の経営は【変えられない】ことに包まれている。マイクロビジネスは十分なリソースを有しているとは言えず、流れを止めることなどできる筈は無い。現実には、目標やビジョンが見えたら、妥協せずに現状を分析しリアルに即したマイルストーンを置くことが重要である。

経営戦略に限らず研究者の英知を自己の文脈に落とし、自己の知識蓄積することが経営に取って重要であることは言うまでもない。本シリーズがそうした端緒であることに間違いない。

 

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