マネジメントコントロールシステム論文から

CSRマネジメントコントロール―企業と社会をつなぐ3つの仕組み

 MSC(マネジメントコントロールシステム)を意識的に経営に取り入れることをしたことはなかった。論文を進められ読んでみた。考え方を事業や目標管理に取り入れると効果的だと考える。以下は本論のレビューです。またあまり本は無いのですがこちらも参考になればと思います。批評は次回以降に掲載したいと思います。

概要
マネジメントコントロールシステム(MCS)は、組織成員の心理状態に影響を与え,
組織の望ましい行動パターンを実現することで、経営目的を達成するために利用されている情報ベースの仕組みである。管理会計システムに基づく会計コントロールはその中軸に位置し、経営理念を基礎した理念コントロールや人間関係に基づく社会コントロールとともに組織の行動パターンに影響を及ぼしていると考えられる。MCSの組合せや利用方法は、組織のおかれている環境や組織文化によって異なっていると考えられている。
調査
われわれは、日本企業においてMCSがどのように組合されて利用されているのかに関する実態調査を行なってきている。本論文はその調査結果について、上場企業と非上場企業の比較を行なった上で、非上場の中小企業の実態に焦点を合わせて分析を行なった。
結果
上場企業と比較した場合、非上場企業ではMSCが公式に整備されている割合は低く、MCSの重要性も相対的に低い傾向が確認された。しかし非上場企業の中小企業に焦点を合わせて分析を行なった結果、MCSが組織成員の心理的状態に影響を及ぼしていることを示唆する結果が得られた。
分析・結果
分析手続き・結果は以下の通りである。まず組織文化の違いに基づいたクラスター分析によって、サンプル企業群(サンプル企業93社)は、組織内部の調和や統合を重視する内部指向型と、組織外部の環境への柔軟な適応を重視する外部指向型の2つの企業群に別れた。この2つの企業群についてMCSが従業員満足度に対してどのような影響を及ぼしているのか重回帰分析を行なったところ、内部指向型の組織文化を持つ企業では経営理念の浸透度が高まれば従業員の満足度が高まり、外部志向型企業では内部統制制度による業務範囲の明確化と社会関係の重要性が高まることで従業員満足度が高まる結果が得られた。
このように中小企業においても(1)MCSが従業員満足度に影響を及ぼすこと、(2)組織文化のタイプによって従業員満足度に影響をおよぼすMCSの組合せが異なること、が示唆される結果を得た。

明確な指標があることは相互にとって必要なはず…..

 

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