マネジメント 基本と原則 P・Fドラッカー

マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則

本書はすでに49刷というからドラッカーが如何に日本人に読まれているかがわかる。
国際的評価はわからないが少なくとも日本での評価は高い。マネジメント力が企業の成長を決める。それはマネジメントしだいで社員は成長しリソースが増える。よってレバレッジが可能となり、イノベーションさえ夢では無くなる。少し大きくなればマネジメントチームであろうが、15人程度まではすべて経営力=マネジメント力によるところが多い。
 本書を通じ感じたのは基本的なことが実にできていなかったことだ。マネジメントの基礎に『われわれの事業は何か』の問いかけがある。“事業が何か、何であるべきか”言葉に換えて説得することができるか。自らに問えば些か疑問が残る。

 『企業の目的としての事業が十分に検討されていないことが、企業の挫折や失敗の最大の原因である。逆に、成功を収めている企業の成功は、「われわれの事業は何か」を問い、その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている』
この根がしっかりとはらなければ事業は常に揺らぐこととなる。このルーツのもとはじめて価値観が形成され企業文化を育むことが可能となる。ドラッカーは「あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である」と述べている。この問いに即答できなければ成功などおぼつかないだろう。さらにドラッカーはこうも述べている。
 
「目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようなることにある。自己管理は強い動機づけをもたらす。適当にこなすのではなく最善を尽くす願望を起こさせる。したがって目標管理は、たとえマネジメント全体の方向づけを図り活動の統一性を実現するうえでは必要ないとしても自己管理を可能とするうえで必要とされる。…目標に照らして自らの仕事ぶりと成果を評価できなければならない」

 一般にマネジメントといえば「他を管理する」イメージがある。しかし自己を管理できない者が他を管理することなどできようか。人はそうでなくとも自分にやさしい。抑制なのかナルシストなのか個々人によって違うがマネジメントを実行するうえで成功ポイントのひとつであることには間違いない。ストイックなまでに自らに厳しくする。その先が見えずとも方向が誤りでなければ進む以外にない。

これからは適度にドラッカーをブログで紹介していきたいと思う。

 

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