今後の研究課題

On 2012年7月13日, in 組織, 経営戦略, by admin

組織が発展するには人材育成が要となる。だが中小企業では離職や経験、収益などの問題から難しい現実である。そこで成長している中小企業を分析し中小企業組織と教育をキーワードに取り組んでいきたいと思う。まずはこれまでの研究を概観してみた。

結論と考察

複数回転職インタビュー調査の結果、入社直後に退職を意識し行動する『リアリティショック』グループと一定期間後に退職を意識し行動する『潜在的離職者』のグループに分かれた。リアリティショックグループは、① 経営者への不信 ② 自己実現ができない ③ 信頼を得られていない特徴があげられ早期に転職し問題解決を図ろうとする。潜在的離職者グループは、会社を変えようとする人材と就職活動を始める者に分かれた。次に離職者が少ない企業と複数回転職社の勤務企業を比較した。離職者が少ない企業は組織構築に意欲があり、対話、時間共有を重視している。経営者は組織構築を重視し価値観を共有していた。多発企業は組織参加の機会が無く、自らの思いを表出ができない状態にあった。 
仮説検証であるシナリオ型可否は、将来の企業や自分の姿の議論の有無とした。A社は発展途上であり、K社は表出場が見出された。N社は、「組織や個人の未来について語り合う表出場」「ファシリテーターとしての経営者」「未来を語り合う場」で有効性が見られた。経営者は個人の目標や価値観を個人的な目標を含めて表出している。ワークプレイスは月1回の個人面談、週1回、全員が交代でファシリテーターとなる対話場など発言を引出す工夫をしている。また目標の設定方法にも特徴見られた。このようなことから「シナリオ・プラニング型ワークプレイス」は草創期の組織文化形成に有効であると判断した。
本稿独自の視点は、転職者の心理的変化の過程を明らかにしたことである。そのうえで価値観の共有の考察を深めた。結果として組織形成過程では意識的な価値観共有の仕組み作りにより定着率アップは可能と判断した。統合的、実践的に含意を考察し終章とする。

研究と結果、先行研究との比較を踏まえ理論的枠組を高橋(2003) とMaslow 欲求階層説として離職理由を統合的に分析する。本稿では生理的欲求を収入欲求、安全欲求を雇用の安定、愛情を組織人間関係、尊厳を会社からの阻害や非認知、自己実現を自己実現との乖離とし、調査結果をGTAコンセプト化し分析した。その結果、自己実現、愛情、安全に強い欲求が見られた。だが中小企業白書(2009)『正社員による仕事のやりがい』では生理的欲求『賃金水準』に強い欲求が見られた。小規模企業に勤務する複数回転職が求める欲求とは違いが見出された。しかし自己実現などの欲求満足の後に生理的欲求に移る可能性もある。マイクロビジネスに限定された『離職要因』と考えることができる。
ここまで組織文化形成は意識的に行う必要があることを明らかにしてきた。価値観の多様性は事業機会に対し多様な解釈が創出する。コンセプトの創出に結びつきやすい。マイクロビジネスが「イノベーション」を可能にするには、事業機会に対し組織生成を繰り返す組織構築が必要だと考える。そこでは従業員の「知」が求められる。複数回転職をしている従業員は、多様な経験にからさまざまな知識を有している。事業機会に経験的な知が加わりイノベーションを起す可能性が高まるとも考えられる。

 

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