人事システムの役割    MBA人材マネジメント

中小企業の人事部長は経営者自身であることが多い。また明文化されていないことも多いと思う。ここでは研修で与えられた問題について考察をして見たい。ぜひお読み頂いた皆様のご意見が伺えればと思います。

問い  A氏はトップで個人パフォーマンスは高い。しかしコミュニケーションは少なく全体の雰囲気を壊す。またB氏はA氏に比べパフォーマンスは低いが人望は厚く、リーダーシップを発揮できる。
人事権を持つマネージャーであるあなたにB氏は雰囲気を壊すA氏の対処して欲しいと相談された。この問題に対しあなたはどのような対応をすべきか論述してください。

 営業会社では良くあることだと思います。バックオフィスなどでも珍しいことでは、ありません。実際、特定の個人の売上比率が30%。こんなことも良くあるように思います。
そこでこうした問題の基礎知識をすこしまとめてみました(以下 MBAマネジメント抜粋)

1   人事システムの役割

人事システムは主に採用・配置システム、評価システム、報酬システム、脳力開発システムからなるが、それぞれを個別に考えるのではなく、相互の連動性、ひいては戦略やビジョンなどとの整合性を考えることが大切だ。

2  人事システムの目的

競争力の源泉を形成するものは「人」である。人はバランスシートには表れないものの、企業にとっては最大の資産である。
人事システムとは「人」という資産(個人あるいはチーム)の判断や行動、さらに重要な要素としてはモチベーションを、ビジョンの実現に向けるための仕組みである。具体的には、従業員教育、/人材開発や、業績管理の領域までを含めた広義の戦略システムとしての役割を増してきている。

したがって「人事」は企業戦略の中枢を担う存在でなければならない。「人事システム」とは組織に「人」が存在することによって必然的に発生した「管理」(労働管理や従業員管理)のための枠組ではなく、「人」という資産を最も付加価値を高める形で活かすための「戦略」そのものなのである。

人事システムの基本構成

採用・配置システム : 「従業員にどのような仕事を与えているか」
評価システム    : 「従業員をどのような観点と尺度で評価するか」
報酬システム    : 「成果を出した従業員にどう報いるか」
能力開発システム  : 「従業員の脳力開発に対してどのように援助するか」

従業員は資質や知識をベースに行動(仕事)をすることによって成果をだそうとする。企業も従業員が成果をあげることを望んでいるから、成果の創出は従業員と企業の共通通の目標であると言える。このプロセスを「成果創出のプロセス」と呼ぶ
 

成果創出のプロセスにおいては、企業は個人が創出した成果を適切に評価し、その結果を本人に通知するサイクル、すなわち「フィードバック・サイクル」をデザインする。フィードバック・サイクルは、大きく「能力開発のためのサイクル」と「能力活用のためのサイクル」の2つに分けられる。

能力開発、能力活用の基本的考え方は、従業員に「何ができて何ができていないのか、そしてどうすればもっとうまくできるのか」を気づかせることです

人の仕事は、これらのサイクルを効果的に回していくことであるともいえる。そのために重要なことの1つとして、評価の際に「具体的に観察された事実」に焦点を絞ることが挙げられる。企業や評価者が各従業員に対して抱く全体的な印象や主観ではなく、具体的事実に焦点を絞ればフィードバックを受ける従業員もその結果を受け入れやすい。

考察

こうした知識を踏まえ次のように考察をしてみました。
人事システムの構成は① 採用配置 ② 評価 ③ 報酬 ④ 能力開発の4つに大きくわけることができる。B氏の相談に答えるには ②評価により対応することが望ましいと考える。

すでに個人より全体パフォーマンスが優先されることをA氏は承知していると思われる。しかし定性的である組織内の雰囲気(=組織文化)を壊す行為をマイナス評価することは難しい。よって人事マネージャーは、360度評価を取り入れ組織文化を壊す行為を組織全体から評価させることが望ましいと考える。

360度評価(多面評価)は、客観性が向上し適性な情報を得ることができる。また被評価者の能力や適性が明確になるなどのメリットがある。このようなことから問題解決の理論的枠組みとしては適切であると考える。

しかしその反面、基準の多様化や上司が部下に阿るなケースも見られるので十分な注意をすることが必要である。

 皆様、いかがでしょうか??

 

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