研究計画書をどのように書くべきか。その問題を解決するために本書を読んだ。研究計画は論文を書くためのものだが、企画のコンセプトや原案を創る時など応用可能なものだと思っている。仕事の実践は問題解決を目的とすることが多い。言葉を変えると日常の関心事が問題意識に結びついていく。しかし研究計画書にまとめる作業は難しい。
著者は2つのことがネックになっていると述べている。“ひとつはいろいろなことに関心があり、それを研究というかたちでまとめられない場合…。関心はあるけれど形にできない”もうひとつは“問題はすでにいくつかに絞られている。しかしそのなかで何が本当にひつようなのかが明確でない。したがってこれという目標が特定できないようなケースです。これを問題意識から問題的への方法論の欠如と考えます”
起業後3年で50%の会社は無くなってしまう。生き残る企業とそうでない会社はどこが違うのか。私はその問題意識を“組織”に絞り考えてきた。それはアーリーステージでの有効性が高いこと、汎用的なこと、資本との距離をおけることなど実践を意識してのことだ。 組織論を組織文化や組織進化論などに掘り下げていく。どのような理論的枠組に絞り込むか。これも絞込みのひとつとなる。何を選択するかの知識。更には、経営戦略など周辺知識も必要である。
並行し「仮説 → インターアクション → 結論」が求められる。このプロセスをなんども繰り返し深化させていく。研究計画はこうしてできあがり、論文執筆に取組むこととなる。
このような取組みは仕事を俯瞰して見ざるをえない。鳥の目で会社を見ればベクトルの向きや日々の実践に追われ3年後の姿を考えていないなど、日常とは違ったことが見える。
そのためにもいまいちど取組んで見ようと思う。