GOETH 2012/6
GOETH・熱狂人生 vol. 35ではハワード・シュルツ スターバックスCEOが紹介されている。ハワード・シュルツ氏の生き方や考え方を紹介している本は数多い。この特集ではそのエッセンスが延べられている。
オフィスや自宅近くにスターバックスがありよく利用する。禁煙したことでより回数が増えた。一人でお酒を楽しむときは、22時前には飲まないようにしている。22時までオンタイムと決めていること、1~2時間程度の楽しみでちょうど良いのではという2つの思いからだ。そんなときに気分転換も兼ね、22時までをスターバックスですごす。『コンセプト・第3の空間』そのもののすごし方だと思っている。
いまでは、その日足りなかった作業をこなす大切な空間となっている。そんなbaを提供してくれるスターバックスであるが、08年経営危機に陥った。シュルツのCEO復活により再起を果たすのだが、その時を次のように語っている。
『会社は間違いを犯しました。コントロールできない成長をしてしまったのです。しかし成長している時には、間違いは見えないものなのです』このコンクリュージョンを本誌はこのように解説する。
「後任の経営陣(2000,シュルツ退任)が成長の麻薬に取りつかれてしまったのだ。無理な出典計画はさまざまな歪を生んだ。人材不足、クオリティ低下。売上を獲得しようと企業ポリシーを曲げて商品開発が行われた。コーヒーの香りを台無しにするチーズの焼け焦げた匂いが店内に広がった…ブランドはじわじわ毀損される、創業以来、初めて客足が鈍りはじめた」
環境の変化でなく、成長スピードの誤り。しかし成長欲求は経営に不可欠でもある。数値のすべてが見渡せるコックピットから何を見落としたのか。それは企業文化の毀損であり、baの空気だろう。スターバックス・ブランドのバリューは空間提供にある。空間は動態的であり、バリスタは空間指揮者でもある。 そう考えてバリスタを見ている楽しい。
ブランドを再構築することは企業再建より難しいのではないだろうか。外科的手法により腫瘍を取り除く。そのうえで再建もコンセプトの『芽』をうえ育てる。芽を育てる土壌についてシュルツ氏は次のように語る。
『…企業は利益や効率を常に求めている。しかしそれは私の経験から言えばそれを持続できる唯一の方法は、正しいことをすることです。そうすれば素晴らしい人材が来てくれる。価値観をしっかりもった顧客が指示してくれる。勇気を持って正しいことをやろう。….それが、誰にもプラスを生むのです』
『正しさ』とは何か。哲学的なことのようにも感じる。生涯をかけて追求しても良いテーマだと思う。