藻谷浩介氏セミナー

On 2012年4月27日, in 政治・経済, by admin

「デフレの正体」藻谷浩介氏セミナー

大変な早口で相当聞きづらい。だがロジックは頷けるも多い。また以前からこのブログでも書いていたが“円高は経済に悪影響ではないのでは”という考えを資料から裏付けてくれた。資料などは頂けなかったので、復習を兼ね文献を調べながら述べていきたい。

4/26日経に最大級ヘッジファンド「ブリッジウオーター・アソシエーツ/創業者レイ・ダリオ」氏は日本の債務問題について「日本はギリシャとは違うが、高齢化進展で貯蓄取り崩しが加速すれば、日本の国際需給バランスは崩れる。紙幣増刷による量的緩和で、円安にすることが、負債圧縮につながる。何もしなければ今後2~3年で日本の債務問題は深刻な状況になるだろう」と述べている。これは債務問題を緩和する方法ではある。また円安になれば輸出が延び経済成長を可能にするという見方もある。債務問題を棚上げすれば、だが円安はプラスに作用しないという考え方もあるのでご紹介したい。

貿易収支は輸出入のバランスで決定する。まず輸出は減少していないことを確認しておきたい。輸出減が赤字要因ではないのである。この下記グラフでも示したがバブル崩壊以降幾度から為替は80円を割込んでいる。為替の影響を受けやすい輸出だが、1990年(バブル)の1.5倍、100年に1度と言われたリーマン・ショックの90%まで回復をしている。どうやら輸出減が赤字要因ではないようだ。
輸入を見ると、原発停止により化石燃料の輸入量が増えている。しかし実際には原油に対する支払高が1990年の3.7倍。2000年と比較しても2.9倍となっている(出典/原油連盟)。のである。

こうした関係か赤字問題は原発停止による輸入増問題でなく、原油支払高増加という構造的問題であることがわかる。

輸入量が減少したにも関わらず支払額は増えた。輸入に有利である為替は90年代の150円と比べると倍である。単純に解釈すれば半値で購入ができる。だが原油高騰により対90年比で支払高は20兆円も増えているのである。

しかしそれにも関わらず輸出は伸びている。これまで企業は円高を吸収することができた。下記は原油価格の推移を示したものだ。中国やインドなど消費高は高まるばかりだ。そのようなことからも大幅な下落は考えづらい。30㌦になど夢の世界だろうと思う。効果があるエネルギー戦略や資源戦略を実行できなかった国の責任は大きい。言葉を変えれば国が20兆の富を失わせたとも言える。

 下記に対ドルレートを示した。この30年で3.5倍、20年で2倍である。民間はそれを吸収し成長してきた。問題は今後も吸収が可能かということである。税、為替、雇用、電気料といった4重苦が企業を苦しめれば、海外展開の加速を疑う余地などない。国は4重苦から解き放ち国内企業を活性化させなければならない。

解決への藻谷提言

藻谷氏は「円高による原油安」・「省エネ家電購入・メーカー活性化・原油輸入量減少」に加え電気料値上げの個人吸収を提言している。電気料を取り上げて考察を試みたい。

家庭にとって喜ばしいことではない。しかし5000万を有に超える世帯数は圧倒的に分母が違う。ほんの少し基本料金をあげることで企業の電気料を下げることが可能だろう。省エネ家電についてはメーカーも具体的数値を示し推奨する。円高に伴い海外工場から割安なものを輸入しても良いだろう。円高は原油の価格も下げる。

メディアは円安を歓迎するが、こうした考え方があることも失念してはならない。国全体の構造的な問題だと思う。しかし民主主義に参加するということは自ら考え行動することだ。利他の心で参加しなければ改善などないのではないだろうか。

本文は藻谷浩介氏のセミナーを元に加筆しました。

 

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