武器としての決断思考  瀧本哲史

誰でも日常的に判断選択し決定を繰り返す。決定や決断は、時には人生を左右するものであり、立場によって人に影響を与える。本書は決断をするための『方法論』について書かれたものだ。大の学部授業を凝縮した本書ではあるがその中身は濃い。
日常的にあるのは、目の前の問題を俯瞰して考察し結論を出す。そう上で実行し再び考え修正し実行する。時々の決断は受験でも無い限り決断の成否はわからない。しかし決断と行動は時間軸を伴うことで成否を明らかにするの。

著者はディベートの思考方法を応用した“決断方法”を推奨している。ディベートは賛成、反対を選択することはできない。時々の立場で議論を交わす。有効な議論は、ブラッシュアップを可能とし最適解を導き出す。ディベート思考に求められるのは、リベラルアーツ、深く考える技術、情報収集術、自分で決断する勇気となる。まずリベラルアーツから著者の考えをご紹介したい。

 『リベラルとは本来“自由”を意味する言葉で、アーツとは“技術”のこと。すなわちリベラルアーツとは、意訳をすると「人間を自由にするための学問」なのです….いまだからこそ、リベラルアーツが必要だと強く感じています』

本書を読みながら意思決定を難しくさせる現実を思い出した。書店ではKnow how booksやGuide booksが平積みとなっているのを良く見かける。Guide booksはその場だけだが旅行では重宝する。Know how book もこの類だろう。量を重ねても教養や武器にならず、思考力も磨かれない。マイノリティな成功事例がいつのまにか限定合理性を狭め思考力そのものを落とす。自由どころか足枷となる。足枷からは奴隷が想像される。

“自由になるための教養”という問いかけは深く重い。決断思考にリベラルアーツが不可欠という言葉に共感する。成長の糧と捉え努力を重ねたいと思う。

 些か長くなった。後半を次回に書きたいと思う。

 

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