イチロー関係まとめ買い最後の一冊。本書は若年者を対象として書かれていますが、希望をかなえる方法に年齢は関係ありません。本書はイチローの約40本のインタビューについてコメント、分析されています。大学教授である著者が言葉の背景を丁寧に分析し、数多くの教示を与えてくれます。そのひとつにこんなコメントがあります。
“雑誌で「ピンチの切り抜け方」についてインタビューを受けたときです。
「苦しんだからって報われると思っていたら大間違いでしょう。
同じ苦しむにしても、考えてくるしまないと
何も考えないでただ苦しんでいても駄目だということですね。
こんなに苦しんでいるんだからというところに逃げんでいたら、
いつまでも違う自分は現れない。とにかく考えることですよ、無駄なことを
無駄なことを考えて、言葉にしようとしているうちに
なにかがぱっと閃くことがあるんです」
このインタビューについて著者はこのように解説をしてくれます。
「無駄と思えることが案外大事なのです。….とことん考えながら無駄と思われる作業を淡々と繰り返す。その無心の状態から素晴らしいアイデアが生まれるのです。過去の歴史的な大発見も、考え抜いた末に、アイデアは予想外のところからやってきています。アルキメデスも….」
“考え抜けば道は開ける”として著者はこのように教示をしてくれます。“無駄”の解釈が難しいと思います。無駄かもしれないこと他に方法がなければやってみる。そのうえでまた考えるこんな意味に取れるようにも感じます。“失敗は成功のためにウォームアップ”という言葉を他の解説で使っていますが、無駄というのはそんなことも含まれるように感じます。
このインタビューを例にあげたのは「苦しんだからって報われると思っていたら大間違いでしょう」このひと言にあります。「これだけ努力しているんだから、頑張ったんだから」というのと同じように感じます。低いゾーンの目標は“うまく回っている”ときなら誰でも達成可能な目標なのだと思います。普通の状態に戻ると何もかも回らなくなるそんな気がします。
著者は“日々の小さい進歩”を推奨しています。何かを成し遂げるにはそれいがいに方法が無いのだと思います。それを旨に日々精進していきたいと思います。
数多くの教示を得られた一冊でした。