週末日帰りで八ヶ岳東天狗に挑戦。2月号岳人で日帰りコースを発見。早速従兄弟と楽しんできた。コースは渋の湯、黒百合ヒュッテ、中山峠、東天狗山頂のコース。往復6時間半を予定した。
午前9時あずさにて茅野駅着。予約のタクシーで渋の湯登山口へと向かう。登山口はすでに雪に囲まれていた。
今年の雪山は3回目だが、八ヶ岳となればいつも以上に心が浮かれる。黒百合ヒュッテを目指し歩きはじめるものの5分もしないうちにアイゼンが必要に。黒百合ヒュッテまでは樹林帯が続く。雲竜渓谷、川苔山もいい。だが八ヶ岳はもっといい。そんな気分で樹林帯を歩く。煙草をやめたからか息が切れることはない。途中休むこと無く約2時間。疲れを感じはじめたころ黒百合ヒュッテに到着した。
黒百合ヒュッテ前の気温はマイナス12度。黒百合ヒュッテで軽く行動食を取り靴やアイゼンの足回り、防寒対策を行なう。手元はストックからピッケルに取り替えた。
黒百合ヒュッテを後に山頂へ。山頂まで約1時間半。約10分で到着する中山峠以降は稜線が続く。この日を選んだのは天気が晴れだったから。だが八ヶ岳の洗礼は過酷だった。雪は降らないものの高度をあげるつど風で雪が舞う。中山峠をすぎ稜線に入ると風で身構えるときが時折あった。振り返るとトレース(足あと)が薄くなっていく。目の前の岩をひとつずつしっかりと捉えながら一歩一歩前に進んだ。風に煽られ、頬は強張る。ペットボトルの水は氷へと変わった。昨年の凍傷を思い出す。2週間手足のしびれが取れなかった。体感的にはマイナス20度か。自分でもこの苦しみが快楽になっているのは変質的かとも思う。だがなんとか山頂に到着。
隣の西天狗に10月頃行ったことがあるがあの風景はどこにもなかった。それでもなんとかシャッターは押した。このように山頂からは何も見ることができない。
山頂には2分もいただろうか。目標を達したあとは下山あるのみ。低木松の間のトレースを頼りに我々は山頂を目指した。しかしそのトレースはすでに雪に覆われていたのである。ピッケルを突いた穴らしきものを頼りに少し迷いながらも樹林帯へ入ることができた。昨年の硫黄岳も同じだった。このリスクを考えると雪山一人山行の難しさを感じる。
樹林帯をしばらく降り黒百合ヒュッテに到着。小屋でお茶と軽い行動食を取り渋の湯へと向かった。雪山の洗礼は厳しい。パノラマを見ることもできなかった。それでも自然の恵みに感謝。
だがそれでも十分楽しんできた。贅沢な日帰り山行であったと思う。下山後の温泉はまた格別だった。