岡本行夫氏の聴講ははじめてだ。セミナー前列から10番以内の席をなんとか確保。元外務官僚、橋本内閣・内閣総理大臣補佐官をはじめとし日本の外交政策に深く関わる人物だ。議題は経済問題~沖縄まで幅広い。だが焦点が絞られており理解しやすかった。
誰もが日本経済の危うさを感じていると思う。国に問題解決力が“ある”政治が変われば経済が“変わる”と考えている人もいる。私は、日銀やシンクタンク、評論家のセミナーや本などから権利者が“権利を手離す”政策ができなければ再起に相当の時間がかるのではないかと考えていた。そんなことから、私は政治家に問題解決力は“無い”のではないかと感じていた。講話のなかで岡本行夫氏は“増税などを実行できる政治家はいても”権利を取上げられる政治家はいない”と述べた。考えは確信へと変わった。
果たして国力回復のシナリオは書けるのか。今日聞いた、国内の現状や外交との関係を示す数値は厳しいものばかりだった。フォーブスで発表されるアジア50社に日本企業が1社も入っていない・現代の社会保障制度は1961年平均寿命が男性66歳女性71歳の時のもので破綻は当然・中国は台湾と同じ法律で尖閣諸島を捉えているなど。甘い幻想など抱いていないが、経済・社会保障・外交これらすべて高い壁で覆われている。
社会人を含めた学習意欲の不足、ITによるすり合わせ技術の地位低下、政府債務の増大、潜在成長率と人口、さらに円高を始めとした7重苦など。優位性を示されたのは“現場力”だけだった。だがこうした現実から逃れることはできない。決して対岸の火事ではなく、会社や個人へと深く関係する。
自社の成長戦略もこうした社会環境の中から考えなければならない。もっと緊張感を持ち考え行動しなければならないと感じたセミナーであった。
貴重な講話に感謝