茂木健一郎氏邦訳に引かれ思わず購入。脳を活性化させるには…の方法について述べた一冊。“ネガティブを取り払う”まずこれがスタートラインのようだ。“憂欝な気分”ではパフォーマンスが下げる。ネガティブはエネルギーを縮小させるとのことだ。
「…エネルギーの縮小(不安・緊張・焦り・プレッシャー)はと呼ばれる状態です。すべてのネガティブな感情―怒り・悲しみ・嫉妬―はエネルギーの流れを阻害します。筋肉がこわばり、呼吸は浅くなり、循環機能の活動が妨げられ、科学的に測定すれば、ストレスホルモンも増えていることが見てとれるでしょう。エネルギーが縮小すると免疫システムが破壊されるので、病気に感染するリスクも高くなります」
ポジティブな人とのお付き合いはとても楽しい。また生産性も高く結果を得ている。それは努めているのかもしれない。しかし相手に気づかせない。そこでは正の循環が成り立つ。それは幸せな人どうしの相乗効果のようにも見える。それは「引き寄せ」の法則なのだろうと思う。そうなるにはどうしらよいのか?本書はこう教える。
「悲しいときや満たされないときでも、ひたすら感謝の種を探し、どんなに小さな進歩でもそれを喜ぶようにする」…「私って恵まれているなあ」「私って幸せだなあ」と思っていると、次から次へと幸せがやってきます。人生を大きく変えることができ「わけもなく幸せ」な日々を引き寄せることができるのです。
“感謝の気持ちを心から思うこと”これが大切なのだと思う。日頃から“利他”の心を忘れずに生きる。そんなことを感じる。
しかし人はときとして「失敗」をする。そうした心は“脳内のネガティブな神経回路を発達させ、他人を責めることと同じくらい幸福感を奪っていきます。これらの感情はしだいに私たちをじわじわと侵食しエネルギーを消耗させ、幸せを感じる力すら鈍らせていくのです”と述べている。
“負の循環”とはまさにこのことだ。こうなると“あんなひどいことをしてしまったお前に、幸せになる権利はないぞ”言い聞かせてしまうと本書では述べている。そこから離脱するのは難しい。だが“自分に責任をもつこと”と“自分を責めること”を区別できるようになるまで努力する。
変えることができない“事実”をスタートラインとし少し先の将来に“あのことがあったからいまの自分がある”そう思えるようになるにはどうしら良いのかを考え続けるほかないのではないかと思う。それが自分を受け入れるということにつながるのかも知れない。またそれが大切だと導いてくれる。それは失敗以降の自分の人生に責任を持つということなのだろうと思う。
幸せを導くような、ダライ・ラマ十四世の「まず何が幸福へと導き、何が不幸へと導くのかを知りましょう。そして不幸へ導く要素を徐々に消していき、幸福へ導く要素を養っていく。それが幸福への道です」という言葉を本書は紹介している。
“思考と行動”この両輪をどうまわすか。難しいことではある。しかし人の幸せを自らの幸せと思えるようになれるまで努めることが大切なのだと思っている。
言葉の端緒に考えさせられることが多い一冊だった。こうした本に出会えたことに感謝。