職種や立場で“自分で自分の時間をコントロールできる人とできない人”の2つに分かれる。また家族などで休日のコントロールは難しいという人もいる。いまの置かれている立場から目的・目標に向かってのタイムマネジメントが本書の議論となる。
4.0は未来創造型のタイムマネジメントとも言える
タイムマネジメント1.0 行動管理
タイムマネジメント2.0 行動管理+予定管理
タイムマネジメント3.0 行動管理+予定管理+目標管理
タイムマネジメント4.0 行動管理+予定管理+目標管理+目的・役割・成長・相乗効果
本書の軸は目的・役割・成長・相乗効果を得るセルフマネジメントを如何に行なうかとなる。そのためにはこれらの“領域”設定が必要となる。企業であればドメインに値する。ドメインは“役割”と置き換えることができる。本書では役割について次によう教示する。
『役割とは人間関係における駆け引きや交渉とはまったく異なるものです。短期的な成果や成功を求めているのならば、そうしたアプローチが有効な場合もあるでしょうが、私達が目指すのは得たい結果を得続けることです。長期に渡って成果を得ようとするのならば、そこには必ず効果性の原則が作用します。駆け引きや表層的な交渉を続けていれば、いずれは見透かされ、信頼関係が失われていきます。豊かな人間関係を築くには、役割を果たすことが必要なのです』
人生には限りがあり、何かを成し遂げるには相応の時間がかかる。さらに環境は変わることからフローでいなければならない。フローであっても『軸』がぶれてはならない。悩ましくも難しい問いだと思う。
自ら生き方が人の人生を左右する。京セラの稲森会長は創業2年目にそれを心から感じたという。京セラのような大企業でなくとも誰でも家族や友人、会社の課やチームまた所属する団体などで影響を示す。そこでの役割が何かを考えなくてはならない。そこには変えられない過去もある。
恩師はつらい過去や失敗も未来から見たときに解釈が変わると言われた。事実は変えることができない。解釈を変えられるように自らが成長しなくてはならないのだと思う。
タイムマネジメントを根本から再考させられる一冊だった。良い本に出会えたことを感謝したい。