タイム・マネジメント4.0 ― ソーシャル時代の時間管理術

実際のタイムマネジメント=時間管理である。しかし本書はまったく違う切り口で論じている。都合2回にわけてレビューしたいと思う。

本書は『7つの習慣・スティーブン・R・コヴィー』のコンセプトを元にした時間管理の考え方を論じたものだ。7つの習慣は成功の原則を論じたものだ。本書は人が望む結果を得続ける人生のために『限られた時間を無駄にせず有効に活用するためのマインドとスキル』を教えることを目的としている。

“成功の法則”を語る本は数多い。よくあるケースが思考の現実化だ。だがこれだけで成功できるはずはない。強い思いが行動を変えて始めて現実化する。行動と結果は以外と結びつく。行動は周囲すら引きこむ。そこには運さえもあるのかも知れない。本書はこうした流れをロジカルに教示してくれる。

時代背景や現在の位置、さらには望むコト、定点確認が必要だ。本書は、狩猟採集時代→濃厚時代→工業時代→情報・知識労働時代→知恵の時代と時代分析をしている。知恵の時代についてはドラッカーの言葉が良く引用される。いまは知恵の時代だと本書は述べている。知恵の時代にはコンセプトの創造やデザインがもとめられる。そこでは知識や情報を超えたものが必要となる。それは脳にある文脈だと私は思う。文脈は“経験”によって生まれてくる。過去の経験を“いま”の時から解釈する。それは経験を違う解釈に変えることができる。それが知恵のリソースとなるのではないだろうか。

知恵の時代における『時間』の概念はなにか。農業・工業・情報、知識の時間概念は比較的流れがゆるやかであったのではないか。またセグメント単位で同類のことを繰り返し行なう事業帯であったように感じる。しかし知恵の時代はフローであり、常に変化をする。商品や価格はフルスピードで変化する。この数年ですら購買に対する感覚は大きく変わった。本書では常に2つのことを追う必要があると述べている。『結果を求める活動をしながらも、成果、結果を生み出す能力を開発する活動を同時に行わないと、長期的に成果を得続けていくことは困難だ』

どんな時もまずは短期的な結果が求められる。本書はそのうえで長期的に“自己を磨く”鍛錬が必要だと述べる。角度は違うがじつは女性はずっと以前からそうやって生きたように感じている。“習い事”にその傾向が見られる。よく定年後の男性の難しさが言われるが女性にそれはない。いきいきとしている姿しか感じられない。そんなことも本書は振り返らせてくれる。 
次回へ続く

 

One Response to タイムマネジメント 4.0      竹村富士徳

  1. 入江義博 より:

    タイムマネジメント4.0からこれ以降スケジュールが朝方にボリュームが大きくなってきている。朝にできる重要な区分が増加し、スケジュールを整理しながら仕事に入って行けることが日常になっている。また、断捨離がはっきりしてきている。断ること、余計な物を捨てること、必要のないものから離れることこれらがはっきりしてきている。そしてクリティカルピリオドであったものがセンシティビテいピリオドに移行してきていることに気付く。ようするに無駄がなくなったということであろうか。一つのスケジュールに於いて枝別れが増えてきたと言うかスケジュールにボリュームが出てきた。また、行動範囲が広くなり要件を済ませる段取りが見えてきた。ということは一日の先が見えてきたということであろうか。問題に対する判断の速さに気付くことに嬉しさを感じている。これはあくまでもエゴであるが。後回しのものと先行すべきものの組み合わせが面白くなってきている。今後も継続して行きたいと考えている。

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