脳が冴える勉強法  築山 節

On 2012年1月18日, in 経営者, by admin

脳が冴える勉強法―覚醒を高め、思考を整える (NHK出版新書 369)

勉強法の本を書店で探せばあまりの多さにおののいてしまう。それだけ人は悩んでいるのだろと思う。質をあげ量を増やすことは無論だが、時間に限りがある以上より効率的に学びたい。大人になってからの勉強はとかく独学が多い。またスクールなどで学ぶ場合でも基礎的な力をつけてから通うほうが効率的だ。本書は独学時期にはとくに有効だと思う。脳科学の進化はすさまじく苫米地英人氏や茂木健一郎氏からも多数執筆されている。そんななかで本書の特徴をひとつあげれば脳外科医である著者が“有意義な努力と最大の効果”について論じていることにある。限られた時間に無駄な努力はしたくないものだ。

カミングアウトをすれば“集中力不足”は私の弱点だといまも思っている。その原因のひとつには理解不足があったと感じている。理解が不足をしていると集中力が絶える、眠くなる。特に学術書や哲学書はその傾向が強い。そんな私の解決策は、まず深く読み込む、ノートをする、図で表現する。この3つを繰り返す。さらには自己の文脈に落とし中小企業のケースを書き込む。時間はかかるが理解が深まり身につく。こうした方法が間違っていなかったことを本書から確認することができた。

本書では脳が『冴える』方法について日常活用しやすい方法を具体的に教えてくれる。そのひとつに『締め切り』を設けることを紹介したい。脳に緊張感を持たせると冴えるということだ。

“たとえば、朝八時から勉強を始めて、九時には家を出なければならない。制限時間は一時間。その間にここまで終わらせる、という風に『時間』と『量』の関係がはっきりしてくると、緊迫感や切迫感が生まれやすくなり、脳が冴えている状態を維持しやすくなります”と述べている。以降の時間に本当に予定を入れることや量に妥協しないことなどが求められるとのことである。学生のころの“テスト”や仕事のおける“締め”のような感覚なのだろう。

著者は脳を冴えさるには“生活全体の見直し”が必要だという。切迫した状況を自ら作り出すことが求められる。疲れそうではあるが、実行できればこんなに気分の良いことは無いと思う。自らへのM的行為には違いない。だが“大人”は仕事や家庭、趣味、友人との交流などの生活に“学び”を加えることとなる。厳しくしなければ当初から無理なことは明らかだ。だがM的ではあるものの効率性を追求する方法や喜びを本書は併せて教えてくれる。

いま学んでいる方、これから学ぶ方押さえておいて良い一冊だと思う。

 

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