ソフトバンク 新30年ビジョン

ソフトバンク新30年ビジョン制作委員会が、2009年株主総会発表に向けて作ったこれから30年のビジョンと戦略を示した一冊だ。

40代をすぎれば定年や引退を少しずつ考えだす。ミドルエイジクライシスとも言える。定年であれば終える日はある程度予測がつく。必然的に一日の価値は高まってくる。ここでは本書の思考回路をもとに経営者の視点で考察をしてみたい。

本書で示したビジョンは未来予測などでなく“こうなる”と決めた強い意思のあらわれだ。京セラ・稲森会長ファーストリテイリング・柳井社長、日本電産・永守社長など成功企業の経営者の特徴には『決定までが難しく決定ができればあとは容易だ』という言葉が見え隠れする。ひとことで表せば“意思”ということになるのだろう。また決めたことは『できる』という自信とも言える。

本書は30年ビジョンでありいまの寿命では孫正義社長がそれを見れるかは危うい。本書では次のように意思決定を示した。

『孫正義は何を発明したか。たったひとつ挙げるならば、チップでもなく、ソフトでもなく“300年成長し続けるかも知れない組織構造を作った、発明した”と言われるようになりたい。息絶えない、進化し続ける、そういうグループ構造を、会社全体として初めて発明したと。そのために重要なのがこの“戦略シナジーグループ”です』
これは孫正義“DNA”を作ることにもつながる。いままでとは違いDNAをつくるという離れ業ではあるが実際の戦略はファーストリテイリングでも行われている。

こうした “意思決定”がなぜできるのかを自己の文脈に落としながら考察してみた。共通するのは成功体験と強い意思、さらには精緻な分析だと結論づけた。あまりにもあたり前すぎることなのだが、これが礎であることには間違いない。本書にはビジョン構築までの道のりが描写されている。ここから想像することは容易である。

成功の前提条件が“意思決定”であることを確認した一冊だった。

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>