悪党    石川知裕

On 2011年12月13日, in 政治・経済, by admin

悪党    石川知裕

リンクに表示されるテキスト

著者は小沢一郎秘書時代の陸山会に関する政治資金規正法で逮捕された現衆議院議員である。副題には『小沢一郎に仕えて』とある。過日友人から記者会見で見た著者に『人物』を感じたとの話を聞き、本書を読むことにした。

著者は秘書時代、本件の逮捕、逮捕後と3つのステージで時々の思いを語る。2代目でなく代議士にまでなる人物なのだから相応の人だとは思うが字面からもオーラを感じるのである。言葉に軽さなど微塵もなく政治に必要な人だと感じざるをえない。これは持って生まれた脳力もあろうが『小沢一郎』に仕えることによって学んだことも多いのではないかと思う。

『小沢一郎に仕えて』という副題の通りその時々の小沢一郎の考えの背景などに紙幅がさかれている。著者が仕えたのは1996年というから下野後の新進党のころではないかと思う。その後新進党は解党され自由党へと移り変わる。時を経て民主党に吸収されるかたちなる。民主党がいまに至る端緒は小沢一郎代表に元で行われた参議院選挙だと思う。自民党安倍政権は過半数を失い不安定な政局となる。短命で終えた安倍政権後の福田内閣で大連立の話が持ち上がった。この判断是非が日本を大きく左右したと未だに思っている。それはいまの政策課題は大連立でなければ片付かないからだ。著者は次にように述べる。

『私の想像に過ぎないが、国家の存続にとって不可欠だが国民生活には厳しい政策を掲げたら、いまのポピュリズム時代では選挙に勝てないから大連立しかない、ということを小沢は考えていたと思う。消費税増税なのか、自衛隊の海外派遣恒久化なのか、具体的にはわからないが、改革を断行しても大連立なら民主党への批判をかわせるし、政権交代に近づけると思ったのだろう』

長く側に使えた著者だから感じられたのだ。地方の疲弊は時折行く山行のたびに感じる。それは休耕地であり轍や凹凸が激しい道路だったりと。いま求められる政治家は厳しい現実をわかりやすく論じる政治家ではないの。本書を通じて選挙に勝つための政策と政治が実際に行いたい政策は違うということを感じた。

著者は厳しい裁判が続くのだと思う。しかし何があろうとこの世に生を受けた使命を忘れずやり遂げて欲しいと心から思う。

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>