「管理会計の基本」がすべてわかる本

 会計を精緻にしたいと考え11月は5冊程読んだ。実は著者には直接管理会計の教示を得たことがある。その当時のことを思い出しながら拝読した。『利益』を如何に出すかという点から考えると『管理会計』を熟知する必要がると痛感した。しかし経営者の友人などと話していても“管理会計”という言葉がでることは少ない。だが書店に足を運ぶとかなりの数の管理会計の本が置いてある。一般に会計というと日々の経理処理や税務会計を指す場合が多い。また経営者が気遣うのは資金繰りである。そのうえで銀行や税務署を気づかうことになる。

 著者は管理会計を『未来会計』という。その目的を『意思決定・業績評価・コスト管理』の3点に置いている。ということは目標を設定しそれを達成するには『管理会計』が必要不可欠ということになる。著者は『管理会計では、とにかく「考える」ことが重要です。会社のビジョンを考える、経営方針を考える、それと整合する手法が何かを考える、計算した数字の意味を考える、その数字を見た人はどう行動するかを考えるーいろいろな面で考えることが重要なのです。そういう意味でも、管理会計は財務会計とは対照的だと言えますね』と述べている。

 具体的に管理会を紹介するとアウトソーシングをするか否かや追加受注の判断などに生かすことができる。たとえば貢献利益(売上高―変動費=貢献利益)を次のように解説する。これは社員を雇用していれば仕事がゼロでもコストは発生する。よって材料などの変動費を上回れば受注をしたほうが良いと考えられると解説がなされる。

これは経営者にとってはあたりまえの判断だが営業社員はどう判断するだろうか。また固定費という感覚を持って営業活動をしているだろか。これを社員に教育したらどうなるか。またもっと固定費を見直し精緻に考えたならば経営状態が変化するのではなどと発想することができる。また撤退条件も貢献利益から考えることが可能である。

ノートを取りながら本書を読んだのだがもう少し詰める必要があると痛感している。とかく利益を出しにくい経営環境にある。しかし管理会計の概念を取り入れることで状況が変わるように感じてならない。

 

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