奥多摩・川苔山。年に幾度か山行を重ねるお気に入りの山だ。プロフィール写真も実はこの山で取ったものだ。そんな好きな山だが今年は震災や雑務があり2月の厳冬期依頼となった。
2011年10月23日 晴れ。 今回は大学院の友人から頂いた登山靴の足ならしての山行だ。登り慣れた山は余裕を持って風景やせせらぎ、土の匂いや鳥の声を楽しむことができる。この季節の山は頂上へ近づくと紅葉が美しくなる。来てよかったと心から思わせてくれる。
この山のポイントは【みず】。せせらぎ。幾度も渡る渓流、圧倒される百尋の滝。緑豊かな登山道、山頂からの眺望も言うことはない。
写真のような木の橋を幾つも渡りながら百尋の滝を目指す。落差40㍍の滝を間近で見るのは爽快である。この滝が厳冬期には氷瀑するというのだから奥多摩といえどもその寒さはとても東京とは思えない。今年は氷瀑しなかったらしいが2月の山行でも15㍍ほどは凍っていた。
ここ百尋の滝から1時間程度で山頂を目指す。幾度もこの山を訪れながらこの時期の山行は始めてとなる。高さを重ねるつど紅葉がはっきりと色づいていく。登山の楽しみは自然に人の手が入っていないことがひとつある。公園や街路樹もそれは美しい。しかし自然の成し得た空間とはまるで異質である。決して対立や競い合うものでなく、別なセグメントの紅葉と言えるのではないだろうか。
こうした“場”が自分自身を育む。自然に感謝をしたい。