MBB:「思い」のマネジメント ―知識創造経営の実践フレームワーク

本書の初版は1年ほど前になる。副題は「知識創造経営の実践フレームワーク」とあり一條和生、徳岡晃一郎、野中郁次郎の3教授による共著だ。イノベーションを可能とするには「強い思い」が必要であるというのが本書の主張だ。本書はじめには次の主張がなされている。

「自分はいったい何がやりたいのか・自分の夢は何なのか・自分はどういう職場にしたいのか・自分はどういう世界と付き合いたいのか….思いを持って仕事に臨み思いを持って自分なりのストーリを描いて仕事を組立ていくことが、いま、崩壊の渕へ向けてぐるぐると回っている歯車を止め、逆回転させていくスタートになるのではないだろうか」

自己啓発書のような文であるがそうではない。組織やチームが難関を乗り越え自らの使命を達成するには「CSR・価値観・ビジョン・目的・目標」の共有が必要であり、その方法や実例が具体化されているのが本書である。

一條和生・一橋大学大学院教授からは約2時間にわたり強烈なメッセージを頂いた。メッセージはFR、スターバックス、IBMなどエクセレントカンパニーが理念を実現するため具体的行動、情報発信、マネジメントと多岐に渡った。特にスターバックスは印象的だった。組織を守るために取った創業者の行動はフィロソフィーの遵守と言える。
スティーブ・ジョブズが“金を目的にして成功した企業はない”という。人の行動を決めるのは倫理・価値観・理念から創出される「思い」に違いない。

デスク裏には50冊からの見読書が溜まっている。しかし本書を再読することにしたい。

 

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