クレイトン・クリステンセン

On 2011年10月3日, in 経営戦略, by admin

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

10/2『日経・世界を語る』にクリステンセンのインタビュー記事が載っていた。クリステンセンと言えばイノベーションのジレンマなどで著名な研究者である。

世界景気の雲行きに怪しい。天気予報ならどう語るか。ギリシャ問題回避予測すら難しいのだから、予報とはなりそうにない。こうした問題の解決には必ずと言ってよいほどでるのが『イノベーション』だ。経済は失われた10年から20年となりGDPは中国に抜かれた。日本は世界を揺るがすようなイノベーションと程遠い存在となりつつある。日本向に創っていた携帯電話はスマートフォンに変わりつつある。富士通と東芝で起きたことが世界的に起きる可能性も否めない。クリステンセンは日本にイノベーションが起きない理由を次のように語っている。

『革新は決まって異なる分野や文化の交差点で起こる。シリコンバレーで成功した企業の多くは外国人だ。シンガポールは外国の優秀な人材を積極的に流入させて革新力を増している。日本で革新が生まれにくい一因は民族純血主義にあると思う。』

日本はSONYなどの一部を覗いて品質革新を得意としていた。いまだその方面では衰えをしらないがイノベーションではなかった。国内労働力をもちいてこのセグメントで生き残りをかけるのは難しい。そこでどうしてもイノベーションが求められるのである。こうした提言を真摯に受け止め我々は事業を運営しなければならない。もっともいまは米国ですら内向きの傾向がありクリステンセンは次のように語っている。

『同時テロ以降、米国も海外からの人材流入を難しくし、革新を生み出す能力を自ら損なっている。ハーバード大でもどこでも起こっていることで非情に憂慮している』この問題は根深い。シリコンバレーが世界のITを牽引できたのも異文化の流入にある。冷戦構造の崩壊により東側の優秀な人材やその子息がシリコンバレーで活躍を成したのだ。その上を行くであろうハーバードが内向きになることは世界的な損失だ。早急な解決が求められるのは言うまでもない。

この記事には先日ご紹介した“アナロジー思考”とイノベーションについて興味深い話が載っていた。

『成長のカギは既存の構造を打ち破る革新。“革新のDNA”凡人でも革新を起こせる』『調査の結果革新的企業のリーダーに共通するスキルが見つかった。最も大事なのは一見関係なさそうな事柄を結びつける思考だ。たとえばセールスフォース・ドットコムの創業者マーク・ベニオフはハワイの海で泳ぎながらアマゾン・ドットコムの買物サイトと勤務先だったオラクルの業務ソフトを同時に思い浮かべ、ネット上で業務ソフトを提供するアイデアを思いついた。また彼らは4つの習慣で『結び付け』の材料を得ていることも判明した。まず何に対してもなぜ、どうやってといった疑問を持つこと。周囲、外界を注意深く観察すること。分野や文化の異なる人々と交流すること。そしてアイデアを実際に試してみることだ。』

関連付け結びつける能力は『イノベーション』さえ可能にする。回転寿司はビール工場からの発想とのこと。考え実行する能力があれば一考するは不可能ではないのかも知れない。数多くの人がそう考えれば日本の再起は容易ではないだろうか

 

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