大局観  羽生善治

On 2011年9月22日, in 経営者, by admin

大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)

作家の選び方として経営学であれば研究者や実践者、政治経済であれば履歴などで決める。また参考文献などということもある。本書のような業界一人者のような方の本はあまり手にしたことはない。スポーツ選手もどちらかというとその部類に入る。そんな考えを変えようと読んで見ることにした。

結果は正解。将棋を通じ人生観や物事への取組みなど多くを学ぶことができた。
成功の秘訣は『誰でもできることを誰よりも続ける』だと思っている。ごくあたり前のことで一定のレベルに達している人は皆やっていることだ。本書はこうしたことについて次にように語っている。

『一流になるための反復練習。練習はたくさんすれば良いのだろうか。将棋を始めたばかりの時は、何よりも練習量が必要ではないかと思う。基本や基礎をしっかりと固めるためには、とにかくある一定のまとまった時間を費やさなければ身につかないし、そこからの大きな進歩も考えられない。最初のうちは練習量に比例して上達していくが、いずれその伸びが止まり、停滞期に入ることもある。その時はどうしたら良いか。量によってその壁を乗り越える方法もある。とにかく多くの時間を使って、繰り返し、繰り返し、練習を重ねてレベルアップして突き抜けるのだ。また、この時期に練習の質について見なおすアプローチもあるのではないかと思っている。メゾットを変えることによって現状を打破しブレイクスルーを起こすやりかただ』

“始めたばかり”として語っているが果たしていまの練習時間はどうだろうか。当然のことながら名人ともなれば練習方法が初心者と違うだろう。こうして書を書くこと事態が内省へとつながり訓練に結びついているのだと思う。“努力できる才能”という言葉があるが達成者は皆自らに厳しいという共通項がある。才能というより自分に厳しいという言葉が適切なように思う。厳しさが脳力を育むということはないだろうかと脳学者に問いてみたい。

ここでは“練習”などということを取り上げたが集中やジンクス、理論、セオリーなど一流人ならではの考え方を数多く教示してくれる。一流人は『やるべきこと』が数多いだろうと思う。こうして本を書くことだけでも多くの時間を費やすはずだ。その間に将棋の勉強をし、講演を行い雑誌やTVなどのメディアにも登場する。生を受けて与えられた時は同じはずだ。これだけは変わらない。あたり前のことだが、結果が大きく違うのは脳力だけではない。それ以外もあまりにも違いすぎるのだ。
最近こうしたことが骨身に染みて感じてくる。こんかいも大変勉強になった。この教訓を必ず活かしたいと思う

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>