戦略「脳」を鍛える

「コト」は文脈を通じ解釈をする。文脈はアーカイブや解釈で捉え方が違う。質のよい豊富なアーカイブを持つ人とそうでない人では、必然的に結果が違う。BCG(ボストン・コンサルティング)レベルになるそのレベルに差はないらしい。

「事象の捉え方」=「目利き力」がポイントとのことである。 著者によると「経営の場でも、プロ同士が全力で戦う市場においては、戦略論という定石を当然知ったうえで、新たな戦い方をつくり上げる。「プラスアルファの能力」を身につけた者だけが、自らを差別化し、競争優位に立つことができる。この「プラスアルファの能力」を我々は「インサイトInsight」と呼んでいる。インサイトという言葉は、日本語にすると「直観」あるいは「洞察力」という言葉になりややニュアンスが異なってしまう。BCG流の「インサイト」をあえて意訳するなら「勝てる戦略の構築に必要な“頭の使い方“ならびにその結果として得られる”ユニークな視座“」と言う感じになろうか」

ここでのポイントは2つある。まず基本的な経営知識を習得すること。次に“勝てる頭脳”を身につけることとある。実際、マイケル・ポーターを始めとした“定石”だけでも相当の量がある。必死に取り組んでも基礎だけで1年以上はかかるだろ。しかし“これはやらなければならないこと”にすぎない。また“やればできること”である。事業成否のポイントが“インサイト・パワー”にあることが本書から読み取れる。

インサイト・パワーのひとつに“スピード”をあげている。戦略Plus、インサイトの思考過程は定石を加工、応用し仮設を立てる。仮設をシュミレーションし有効性を検証する。これをフルスピードで幾度も繰り返しその有効性を高めなければならない。このスピードが重要なポイントだと本書は述べている。
中小企業の視点では“スピード以上にリスクの捉え方”が重要だと私は考える。リスクは経済的リスクだけでない。時間、組織、取引先環境、など多用である。失敗が重ねれば組織からの信頼度も喪失するだろう。その痛みは大企業と比率が違うと思う。常に多面的に捉える必要があると思う。

本書は“戦略の思考法”として良い本である。常に頭の引出しに入れて置きたいものだ。
実は本書を手にする少し前から研究ノート(定石)の再構築を始めていたところだった。併せて「インサイト・パワー」を身に付けなくてはと感じている。

 

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