1秒も無駄に生きない 岩田健太郎

On 2011年8月29日, in 経営者, by admin

1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525)

ネーミングで購入した一冊。そんなわけで著者のことは知らなかった。
履歴によると1971年生まれ 感染症医師 神戸大学大学院教授で
ある。著書も多数出版されており、業界では著名な方なのだろう。

これだけの方の時間損出は社会的な損害だと思う。時間管理の考え方
に所得で除数計算する方法がある。時給1万であれば2時間失うと2
万マイナスとなる。年収1000万でも1万円の損害である。大手企
業の役員会を想像すると10人も集まれば時間15万程度の会議費と
なるだろう。著者のような医師ともなれば患者の「生命」とも関係す
るのだろう。

著者は「プライオリティ・リスト」よりも「やりたいこと」をやるべ
きだという。その前提として”人間は快楽を求める動物でしが、いつ
も快楽ばかりを求めているわけではありません。ときには率先して、あ
えて苦痛を伴う選択をすることだって多々あります”と述べる。その上
で東日本大震災に多くの医療関係者が自ら赴いたことについて次によう
に述べている。

「このような苦しみこそが、自分たちの「今一番やりたいこと」だった
のです。人間が「やりたいこと」は快楽を追求することとは限らないの
です。多くの日本人にとって(そして少なからぬ外国人にとっても)、
やりたいことは「あえて苦しみを伴う選択肢を取る」ことなのではない
でしょうか。僕らは、しばしば定型的に考えられるほど、あるいは功利
主義者の一部が主張するほど、快楽というもにひかれないのです。した
がって「今一番やりたいこと」を優先的にやるのは、快楽に溺れて自堕
落な生活を送る、という意味ではありません。多くの人にとってそのよ
うな空しい生き方は今一番やりたいことではないからです」

人は”自堕落”ではないという前提が必要になりそうだ。少なくとも
「医師」という立場になれた人だから可能なのではないだろうか。この
原則が”適用する自分”になれば、その時はすでに時間はあまりムダに
していないだろうと思う。こうした自己への厳しさを保つ自分になるこ
とがはじめの課題ように感じるのである。

課題を与えてくれた一冊に感じる。

 

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