国内MBA研究計画書の書き方―大学院別対策と合格実例集

研究計画書を書く必要があり本書などを再読した。本書をもとにすこし自分の考えをまとめてみたい。

問題意識は「中小企業の倒産」にある。自らのキャリアは中小企業と関連づいている。クローズする企業の多さから具体的数値をリサーチしたことがある。中小企業庁の発表によると起業後3年で約50%の会社が廃業に至る。一見多いようであるがこれは米国、欧州などでもあまり変化はない。経営が成功する最大の変数は“経営者個人”にある。しかし経営者の能力を引き出す変数があることも事実だ。それは分業が可能な状態か否かである。現場目線で言えば右腕人材とマネジメント力ということになる。

日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)にて成功企業の背景を約50社に渡ってリサーチした結果このような結果に結びついた。しかし必ずしも創業時に右腕人材を確保できるとは限らない。また別な資料によると右腕人材は以外と早期退職してしまうケースもある。このようなことから「社内育成」の必要性を痛感したのである。
しかし創業間もない企業において人材確保は容易ではない。さらに離職率が高く人材投資のリスクは極めて高いのである。選抜段階での目利き力、OJTを含めた育成力が中小企業発展において必要不可欠な能力なのである。

私は特に“育成”に着目をしている。中小規模企業に中途入社希望者は履歴、経験、環境などさまざまである。技術職やキャリア人材を含め一定の基準で選抜後は社内基準やルールに沿って育成することが求められる。しかし過去の経験がバイアスとなり一筋縄ではいなかい。さらには離職経験が多い人は容易に退職を選んでしまうのだ。私の追跡調査では3回を超えると一社あたりの就業期間は極めて短く2年を下回るケースが90%を超えるのである。

企業は人が支える。こうした人材が社内知を習得し創造的業務に携われるようになれば、企業は成長が可能となる。また本人の資質に併せた人材投資へのリスクも減る。良い方向へ回転へと結びつく。

初期のKFSが経営者と社員、社員間“相互を知る”ということだと思う。しかし自らの考えを人に説明するのは意外と難しい。相手の顔つきひとつで言葉が詰まるのが現実だ。もっと言えば自分の考えが纏まっていないことすら多々ある。単純に言えば相互の価値観がわからないのである。相手の暗黙知がわからなければ意思の疎通は難しい。

我々はこうした環境下で組織を運営していることが多々あるのだ。価値観共有をスムーズにする方法をアカデミックに考察していく。

中小企業研究者は多々いるが、産業集積のような場での中小企業勤務経験者どれだけいるのだろうか。また中小従業員とキャリアという側面での研究がいまの時代にもとられているように思う。

 

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