京都市美術館を出張のついでに訪れてみた。都内の車中広告にて“フェメールからのラブレター展”と題した17世紀オランダ絵画に興味を惹かれたからだ。京都駅から約30分バスに揺られると美術館に到着する。平安神宮の隣に位置することから行かれた方も多いかもしれない。神奈川近代美術館といいこうした位置づけにある美術館は多いのだろうか。神奈川近代もそうであったが鑑賞以前に建物に圧倒された。予備知識を持っていなかったことからより衝撃的だった。
本稿を執するにあたり調べたところ、昭和8年、日本で2番目の大規模美術館とのことだ。威風堂々たる建物と緑地のバランスはなんとも気分が良い。和洋が混沌としている中で何か日本の趣が強調されているように感じる。
さて今回のフェメールからの手紙にはコミュニケーションというコンセプトがある。副題は“17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ”とある。当時の欧州の家族や学校での暖かい人間関係がすごく良く表されていた。ひとは人と関係することによって始めて存在するというごくあたりまえのことが改めて認識させられる。て交わることによって生まれる笑顔が如何に大切かを思い知らされる。孤高を築くこともひとつの生き方ではある。しかしそれは孤高という人間関係を選択したということに他ならない。
期間は10月まである再び訪れてみようかと思っている。