仕事の思想   田坂広志

On 2011年7月20日, in life Style, 書評, by admin

仕事の思想―なぜ我々は働くのか (PHP文庫)

人生と仕事について十章で構成された一冊。仕事について考えさせられることは多い。その理由は自らが目標に対し怠惰であるから。能力が無くとも行動量は一流でありたいと常に願っている。愚直、内省と考えはするものの行動に帰結していない。出口が見えない日が続く。少しでも風穴を開けたく本書を拝読した。

まず印象深い一節を紹介したい。

「理想家とよばれる人物は、大きな夢を描きその夢を語ります。それも本気で語ります。そして、その夢を実現するために、目の前の現実を変えようとしています。そのために、具体的な目標を設定し、行動計画を立て、それを実行していいきます。その夢に向かって一歩でも近づいていこうとします。
そして何よりも、現実を変えるためにひつような能力を身につけようとします。すなわち理想家と呼ばれる人物は、夢を実現するために変えるべき最も重要な現実が“自分”であることを知っています。目の前企業や市場や社会という現実を変えていくために、真っ先に変えるべきは“自分自身”であることを知っています、ですから“理想家”と呼ばれる人物は自分を変え、成長させていくための努力を惜しみません」

理想家の対象を「夢想家」として次のように述べている。

「…しかし人前で語ることはあまりしません。夢を語ることによって、自分が他人から視線を浴び語った夢に対して責任を負わされることを恐れるからです。そのため、そのときに夢を語るときも,本気で語りません。“そうなればいいな…..”と言った”願望“で語るだけです。…夢を実現するために、目の前の現実と格闘し、それを変えていくという苦しいプロセスよりも”夢を見ている“という心地よい状態を選びます。したがって具体的な目標も、行動計画も生まれてくることはありません。現実と対峙することによって”夢から現実に引き戻させる“ことを恐れるからです。…なぜなら彼がいちばん大切にしているのは”自己幻想“だからです。彼にとっての夢とは小さなエゴが自らを慰めるために道具に過ぎないからです」

この一節を考えさせられるだけでも本書を読んだ意味は深い。誰でも自らの位置から目標を達成するためには自己を変革する必要がある。その程度は夢や目標との乖離による。“変化と継続”から得た位置。その位置からさらなる変化を試みる。そして達成の期限を決めることが必要なのだと痛感する。自己の棚卸しとも準じるが多少なりとも成長すると小さな自己満足を得やすい。これが怠惰であることを失念してしまう。さらには多様な角度から環境は変化する。想定外のことも多い。いつのまにやら追い求めていたことすら忘れかけない。

本書を通じて多くの教示を受けた。“自分自身を変える”再び原点からスタートしたい。

 

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>